<この話のTOPへ>
あなたは運河から上がる黒煙を呆然と見つめていた。
「いくらなんでも・・・やりすぎだろう・・・?」
思わず呟いた。
ポケットから携帯電話の着信音が聞こえてきた。
取り出してみると、メールが来ていた。
From:変身中 To:【あなた】 Sub:ミッション@結果 【あなた】の活躍により、“鬼”100体の放出は阻止された。 |
---|
あなたは大きなため息をついた。
『よかった・・・』
ホッとして、肩の力が抜けた。
思わず座り込みそうになるが、気合を入れなおす・・・“ゲーム”は、まだ続いているのだ。
「そういえば・・・」
坂本君は、どうしたのだろう・・・彼もここを目指していたはずなのに・・・そう思っていると、また携帯電話から着信音が流れてきた。
またメールだ。
From:変身中 To:【あなた】 Sub:確保情報 坂本修一は、ファミレスの店員になった。 残りは3人 |
---|
『捕まったのか・・・』
あなたは大きなため息をついた。
走り続けて喉がカラカラだ。
あなたは展望台の入り口の自動販売機に向かって歩くと、ポケットから硬貨を取り出した。
自動販売機にお金を入れてボタンを押すと、取り出し口にジュースの缶が落ちてきた。
缶を開けると、あなたは一気に飲み干した。
炭酸の感覚が心地よい。
『よし・・・』
これで、また逃げられる・・・あなたはそう思った。
あたりを見渡す。
“鬼”の姿はない。
さあ・・・これからどうしよう。
あなたは腰に手を当てて考えた。