<この話のTOPへ>
「もう少し様子を見ようよ・・・」
あなたが言うと、
「そうですね!」
内籐も間髪を入れずに肯いた。
あなたは苦笑した。
『彼は動きたくなかったんだな・・・』
そう思いながら、あなたは辺りを見回した。
「?!」
あなたは思わず頭を引っ込めた。
「どうし・・?!」
驚いて声を上げた内籐の口を、あなたは右手で抑え込み、道路の方向に顎をしゃくった。
内籐の目に、恐怖感が現れた。
あなたは思わず唇を噛んだ。
あなた達二人の目の前を、真っ黒なスカートスーツを着たセミロングの黒髪の美女が歩いて行く。
タイトスカートから伸びる足が美しい・・・しかし、その美しさもあなた達にとっては恐怖にしかならないのだが・・・。
背筋が寒くなり、あなたは思わず身震いした。
美女は、あなた達には気がつかず、歩き去って行った。
思わず溜息をついたあなたは、タイマーに視線を落とした。
『23:31』
「残り23分か・・・」
あなたは呟くと、また考え込んだ。
さあ・・・どうしよう?