一般には、通常の列車の路線のように、枕木の上に敷かれたレールを介さず、より簡素な建造物に支えられて車両が運行される交通機関である。
大きく分けると以下の2つの系統がある。
(1) 跨座(こざ)式。横に置かれたコンクリートの柱の上にまたがる格好で車両が置かれ、電気により動力を与えられて進む方式。
(2) 懸垂(けんすい)式。鉄でできた支柱(たいてい2本)にぶら下がる格好で車両が置かれ、電気により動力を与えられて進む方式。
モノレールにも跨座式と懸垂式があり、新交通システムにも跨座式にあたる方式と懸垂式にあたる方式があり、方式は日本国内にあるものだけをとっても千差万別である。
また、モノレール・新交通システムに共通した特徴としては、
・アッブダウンが電車より急激である
・速度は遅い
・運河などの狭い場所を通ることが多い
・運転間隔は短いようでそれほどでもなく、最低でも5分は間隔が空く。長すぎることもなく、長くてもおよそ最大でも30分程度である。
などがあげられる。
全国でも数が限られているが、ながめの良い所を通る路線が多いので、おりを見てたくさん乗ってみたい交通機関である。
急な斜面を登るため、頂上の駅にある巻き取り機にケーブルを通し、車両にケーブルをつけて、ふもとの駅から引っ張り上げる仕組みになっている交通システムである。
いろいろな特徴と例外がある。
・通常は車両を2個使い、片方の車両がふもとの駅にある時はもう片方が頂上の駅にあり、レールは特殊構造になっていて中間地点でうまく2つの車両がすれちがうようになっているのが特徴である。
(例外:鞍馬山は1個の車両を上げ下げしている。)
・通常はふもとの駅と頂上の駅以外に駅がないのが特徴である。
(例外:箱根登山鉄道・強羅〜早雲山、近鉄・鳥居前〜生駒山上は途中駅がある。)
・その昔に存在した「一般周遊券」というJRのきっぷでは、ケーブルカーの大多数が「指定地接続線」となって、ケーブルカーの運賃が1割引になるだけでなく、登り口に至るまでのJRの運賃も2割引になっていた。
(例外:鞍馬山、男山ケーブル(石清水八幡宮参道ケーブルの一般周遊券発売期間の名称)、大山観光電鉄は一般周遊券に組み込めなかった。)
日本ではケーブルカーよりもロープウェイの方が数が多い。これは、ケーブルカーが全区間地上あるいは地下にレールを置く必要があるのに対して、ロープウェイは空中を通すことが可能だからである。
また、たいへん哀れなことであるが、一般周遊券と引き替えにできて、1998年から2013年まで15年続いた「周遊きっぷ」ではほとんどの期間でケーブルカーに乗れるゾーンはなかった。
2003年4月1日から2006年8月31日までわずか3年5ヶ月発売されていた「和歌山・高野山ゾーン」で南海電鉄・極楽橋〜高野山のケーブルカーに乗れていたのが唯一であった。
ケーブルカーは、冬季に数ヶ月単位で休止し、点検・整備を行う路線が多い。休止期間がいつになるかは、たいていは最新の時刻表に書いてあるがまれに書かれないことがある。そのため、ケーブルカー運営会社のウェブサイトを参照し、休止期間の確認を行うことが肝要である。
ゴンドラと一般に呼ばれる箱形のものを頂上とふもとの2点間に渡されたロープでささえ、ロープを電気のモーターで引っ張り上げることにより頂上とふもとの間で人間を移動させる交通機関である。
山の多い日本には各地にロープウェイがある。レールを敷く必要のあるケーブルカーと違い、地形の制約が少ないためケーブルカーよりロープウェイの方が普及している。かなり標高の高いところにもあり、長野の駒ヶ根にある千畳敷へ行くロープウェイや立山の大観峰へ行くロープウェイが有名である。
ロープウェイは季節運行のものが多いことも特徴である。このため日本のロープウェイをすべて乗ることは非常に困難である。以前JRが出していた一般周遊券には、ロープウェイが指定地接続線になっている周遊指定地がとても多かった。一般周遊券廃止後も、周遊きっぷの三河湾・日本ラインゾーンの岐阜市内の金華山ロープウェー、播磨ゾーンの書写山上に行くロープウェイがあったが、2002年9月30日にこれら2つのゾーンは廃止されてしまっている(ゾーンは廃止されたが、ロープウェイは残っている)。
ロープウェイで上った先は観光名所や見晴らしのいい場所であることが多く、おりを見て乗ってみたいものである。
ロープウェイは、時刻表に掲載されている路線も時刻表に掲載されていない路線も、スキーやスノーボードに関係ない路線は冬季に、関係ある路線は梅雨時などのオフシーズンに数ヶ月単位で休止し、点検・整備を行う路線が多い。休止期間がいつになるかは、時刻表に掲載されている路線なら最新の時刻表に書いてあるがまれに書かれないことがある。そのため、ロープウェイ運営会社のウェブサイトを参照し、休止期間の確認を行うことが肝要である。
車体上部に電力取り入れ装置を付け、架線より電気を供給されて走るバスと同じ形態の乗り物のことをトロリーバスと言う。
その昔、まだ乗用車が発達していなかったころは、都市の中心部をトロリーバスが走っていたことがあったらしい。いや、日本以外の国ではまだ都市の中心部を走っている国もあるらしい。
現在の日本国内のトロリーバスは、標高の高い場所で、排気ガスを出さずに2点間を長いトンネルで結ぶことを目的とした路線がわずかに1つ残るのみである。
ここに示した「立山トロリーバス」のみで、「立山黒部アルペンルート」と呼ばれる、標高の高い場所で春から秋にかけてのみ運行される観光目的の乗り物である。
2018年11月までは「関電トロリーバス」と呼ばれる、同じく立山黒部アルペンルートの一部として運行されていたトロリーバスがあったが、この区間は2019年春からバッテリーでモーターを動作させて移動するバスで運行されることになり、トロリーバスは廃止されてしまった。
立山トロリーバスも、現行のバスが老朽化すると同様にバッテリーのバスに置き換えられると思われるため、日本でトロリーバスに乗りたいなら今のうちである。
遠い昔に日本の都市で運行されていたころのトロリーバスの歴史はわからない。おそらく廃止された市電などと同じように、乗用車を持たない人たちの足になっていたと思われる。