恋するアゲハマ嬢 5


(5)
あの日から数年が経過した。
バイト先をそのまま就職先に変え、友人たちからショタ道に人生をかけた女と
笑われても、市河はめげなかった。この崇高な玉の輿計画を理解してくれる人間など、
この世に存在しないのだと割り切って見せた。
市河は時間をかけてアキラの信頼を獲得し、その懐に入り込むことに成功した。
全ては狙い通り、順調だった。
何せ相手はまだ中学生。焦って行動を起せばこちらが捕まる年齢だ。
それに、囲碁街道まっしぐらのアキラにはガールフレンドの存在が皆無だった。
類稀なる優麗な容姿にクラッと来ない女子はいないだろうに、
当のアキラが色恋沙汰に無関心なせいで、悪い虫も寄りつく隙を見つけられないのだ。
プロになって生活の中心が碁になった今、クラスメイトとの交流もままならないのに、
ましてや女子生徒とどうこうなっているとは考えにくい。
そして、この状況はアキラが学生である間ずっと続くものと思われる。
晩生なアキラは婚期が近づいても独身のままだろう。
その時父に頼んで、花嫁候補として打診してもらうのだ。
都合のいい解釈だが、信じるものは必ず救われる。神様はきっといる。
市河はただ、機が熟すのを静かに待っていればいい。
そう信じていた矢先、市河は不思議な事に気付いた。



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