いちぢく 6 - 10


(6)
なぜ急にお腹が下ったのかアキラには分からなかった。ただ普段学校の往き帰りに買い食いをする事は固く
禁じられていて、学校給食と碁会所で出された物以外はほとんど口にしない。
「…オレンジジュース…」
急に冷たいものを飲んだからだとアキラは後悔していた。
何だか胃の中も気持ち悪い気がする。お手洗いを出たらすぐに帰ろうとアキラは決心した。
「大丈夫かい?」
急に声を掛けられてアキラは驚いた。いつの間にかドアが少し開けられている。
覗き込んで来るわけではないが、男がそのドアのすぐ外にいる気配はあった。
「大丈夫です、すぐ出ます…」
本当はまだ少しお腹の具合が治まっていなかったが、アキラは慌てて始末をして流し、そこを出た。
そして部屋の中に戻ったのだが、ソファーの上に置いたはずのランドセルが見当たらない。
「あ…れ…?」
周囲を不安そうに見回すアキラを男はやはり嬉しそうに眺めている。
「…あの、…ボクのランドセルは…?」
小さな泣きそうな声でアキラは男に訊ねた。
「さあね、どこにあるんだろうね。」
とぼけるように肩を竦める男に、アキラは初めてキッと睨むような視線を向けた。だが
「ランドセルが見つからないまま家に帰ったら、お父さんに何と言われるだろうね。」
という男の言葉にすぐにまた泣きそうな不安気な顔になった。


(7)
「…ボクのランドセルを、返してください、…お願いします。」
アキラはまだ違和感が残る腹部を自分の手で押さえながら、苦しそうな表情をさせて男に頼んだ。
「顔色が良くないね。横になった方がいい。」
アキラの言葉を無視するように男はアキラに近付くとその体をひょいと抱き上げた。
「あっ…!」
驚いたアキラだったが、ただ身を固く竦める事しか出来なかった。
男はアキラの体を奥へ運び、ゆっくり丁寧にベッドの上に横たわらせた。
「手をどけてごらん。」
アキラは両腕で自分の腹部をきつく抱くようにして、首を横に強く振った。
「お腹の具合が良くないんだろう、体から力を抜いて、楽にしなさい。じきによくなる。」
男はアキラの手の隙間からアキラの腹部に手を入れて、服の上から摩った。
「ん…っ」
最初にぐっと腹部を圧迫されてアキラは顔を顰めた。だがすぐに男の手は力を弛めて優しく動き、
円を描くようにして動き出すと少しアキラはホッとしたように息を吐いた。
男の手は大きくて温かく、軽く圧迫しては摩るという動きを繰り返した。
それだけでもかなり痛みを和らげる作用があった。ベッドも厚いマットレスで心地よく、シーツも枕も
新品でお香のようなほのかないい香りがした。耳を済ますと静かにクラッシックが流れているのが聴こえた。
「腸が少し痙攣したのかもしれないね。可哀想に。…ほら、こうすると楽だろう。」
アキラはこくりと頷いた。躊躇いながらも両手を自分の体から離して両脇に置き、目を閉じて
大人しくマッサージを受けた。次第に男の手は上着の裾から中に入り、シャツの上から臍の辺りを中心に
上下に動いた。いつの間にかアキラのズボンのウエストのボタンが外され、弛められていた。


(8)
あくまで丁寧に、リズミカルに男の熱心なマッサージは続いた。
痛みが静まるにつれて軽い眠気を覚える程にそれは気持ちよかった。
そんなアキラの反応を見計らうように、マッサージの動きの延長のようにしてさりげなく男の指は
シャツの中へ滑り込み、直接アキラの肌に触れて来た。
摩りながら胸近くまで制服とシャツを引き上げ、下腹部へ移動させる時にズボンと下着を少し下げる。
臍を中心に白くなだらかなラインを描いたアキラの腹部が男の眼下に露になった。
「かわいいお臍だね。」
男にそう言われてアキラは答えに困るような顔になった。警戒心を解いたわけではなかったが、
何か酷い事をされる様子でもなさそうだと思い始めていた。
その臍のすぐ下辺りを男は特に強く押した。
「ここの辺りかな…。まだ少し熱くて膨らんでいる。自分で触ってごらん。」
アキラはその部分を両手で触ってみたが自分では良く分からなかった。
言われてみれば腫れているような気もした。
「ちょっと待っていなさい。」
男はアキラの傍から離れるとテーブルの方へ行き、小物の一つを手にとった。
アキラはベッドの上に横たわったままぼんやりと男の動きを目で追っていた。
男は戻って来るとベッドのアキラの腰の近くに座り、持って来た物をアキラに見せた。
尖った口のついた丸い小さな透明なピンクの容器の中に液体が入っていたものだった。
「これはお腹から悪いものを出してくれるんだよ。小さい頃に使った事がないかい?」
アキラは思い出そうとそれを見つめながら少し考えて、首を横に振った。
「覚えていないのかな。まあいい。うつ伏せになりなさい、すぐ終わるから。」
嫌な予感がしてアキラはすぐには言う通りになれず、再び不安さを訴えるような視線を男に向けた。


(9)
「それを…どうするんですか…?」
「この中の薬を少しだけ君の腸の中に入れるんだよ、少しだけね。」
どこからとは男は言わなかったが、アキラはその容器の形状から直感で理解し、カアッと頬を赤くした。
それを想像しただけで羞恥で体が熱くなるような、何か変な感じがして胸がドキドキした。
「そのために君はここに来たんだろう。…何も怖がることはない。」
ドクンとアキラの心臓が強く鳴った。男の言う通りだった。アキラは目を閉じた。
「…ボクのランドセル、返してくれますか…?」
「終わったらちゃんと返してあげるよ。」
男の手が促すようにアキラの片方の腰骨の下に差し入れられ、上半身を起こしていたアキラの体が
うつ伏せにされる。
半ズボンと下着がゆっくり下げられて行く。アキラは親指を口元にもっていくと軽くギュッと噛んだ。
男の視線が自分の体の中心をなぞっていくのを感じてゾクゾクとした。
なぜこの男の言いなりになっているのか自分でもわからなかったが、男を恐れる一方で、
何かを激しく期待するような、黒い好奇心みたいなものが自分の中で蠢いているのも確かだった。
親や周囲の大人の人達は決して教えてくれない事を、この男が教えようとしてくれているような気がした。
そうしているうちに制服の上着と、膝近くまでの紺のハイソックスだけの姿にされてしまった。
恥ずかしさにうっすらと目に涙を浮かべ親指を噛んだまま、べッドの上でアキラは秘部を隠すようにして
身を竦めて横たわる。
アキラの何も身につけていない腰周辺とももの肌は、濃紺のハイソックスの色とは対照的に
内側から光を放つように白く輝いて滑らかなだった。


(10)
男は魅入られたようにしばらくの間そんなアキラの何とも言いようのない様相を見下ろしていたが
我に還ったようにしてアキラの体を動かして完全にうつ伏せにし、閉じていた両足を開く。
そしてその足の間に体を入れて来た。
「…あっ…」
アキラが小さく声をあげた。両脚の間の奥部分が男の目に触れる格好にされたからだった。
「力を抜いて、でないと薬が入っていかないからね。」
その奥の中央にある器官の中心に容器の先端が当てられそのままそれがぷすりと内部に差し込まれてきた。
「痛…いっ!!」
思わずアキラは声をあげて身を捩ろうとした。だが男に片方の足の太ももをしっかりと抱え込まれて
思うように動かす事が出来なかった。
「大丈夫だよ。」
男は多少吐息が混じったような声になって、容器の先端をアキラの体内にゆっくりと慎重に進めて行く。
「ん…ん…っ」
生まれて始めての奇妙な感覚にアキラは身を震わせた。それは確かに痛みのようで痛みではなかった。
ただ尖った物で内臓を強く押されるような、いつか何処かが裂けて血が出るような感じがして恐かった。
やがて容器の先端部分が全て挿入されて本体が体に触れるまで押し付けられた。
「もう少しおしりを高くあげなさい。」
そう言われた次の瞬間、アキラは体内にパアッと冷たい液体が走る感触を与えられた。
「…あ、…あ…」
アキラの神経がその部分に集中した。男は注意深く容器の中の液体を少しずつアキラの内部に注入した。
固く目を閉じたままさらに親指を強く噛んでアキラはいろんなものが混じり合ったその感触に耐えた。



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