数多ノ言葉ココニ集イシ。
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「空間」
私は 方向のない空間へと
放たれてしまいました
進むことも 戻ることも
必要としないのです
方向がない空間
色を認識することはできないけれど
それは 真っ暗ではなく
ぼんやりと光るものでした
ただ 春の風のような匂いがしました
そこは
ゆっくりと時間が進んでいました
「信じる訳」
半信半疑でいるよりは
騙されてしまったほうが 楽
この大いなる自然を目の前に
私達が無意識に行っていること
生まれる前からの 本能
「かなわぬ恋々」
あなたといると あなたを好きになってしまいそうです
あの人といると あの人を好きになってしまいそうです
自分がおろかすぎると だれもがいい人に見えて
誰かといると 誰でも好きになってしまいそうです
それはすべての身分的区別と関係せず
自分より優れているかどうか
それだけが 感情を動かす
けれど いくら好きになってしまっても
自分はおろかすぎて 見初められることはない
「母なれば」
この地球が生まれたときは
夜だったのか 昼だったのか
すべての母となった それの本当の姿を
私達は だれも見てはいない
もしそれが 嘘であれば
カスミソウも
シーラカンスも
水も
あなたの存在も
嘘であることを認めざるを得ない
「コンナモノ」
きっと 賢者には
どんなに 苦しんでいる人がいても
こんな着飾った言葉は
慰めにすらならない
といわれるだろう
「空より」
貴方が来るのを
待っているのではないのです
貴方を見下しているのです
貴方は笑顔に弱い
貴方は何も知らない
みんなが知っていること
貴方のつまらなさ
「反―博愛主義論」
広すぎるその心は
きっと 何もまもれない
過剰な意識は 可能を不可能にする
たくさんの人を「好き」になるのは いいのかもしれない
たくさんの人を「愛し」てしまうのは
たくさんの人を「傷つけ」てしまうかも知れない事を
覚悟しておかなければならない
不自由な選択は あまりに溢れすぎてる
「根」
たとえば 今 科学が
その成り立ちのすべてを
否定されてしまったら
わたしたちは何を信じればいいですか?
科学は 今まで 偶然
自然界のメカニズムと 一致していただけ
すべてが偶然の産物だったら?
ほんとはもっと単純な 仕組みだったら?
そう考えると
脱力感を ともなわずにはいられないよ
「目的」
あなたのその行為は
誰のため?
自分のため?
あの人のため?
ただ 純粋にその行為だけ 楽しむ
見返りへの期待からの脱離
最も困難なこと
「心の中に」
あなたは 一度も「好き」と言ってくれないまま
さよならだけは はっきりと伝えてくれた
小さな過ちを 許してはくれなかった
あやまらなければならないことが たくさんあるんです
伝えたい想いが たくさんあるんです
それすらもう あなたには とどかないけれど
あなたといた時間は とても幸せでした
いまはまだ…
「さよなら」も「ありがとう」も 言えそうにないけど
あなたに逢えたこと 過ごした時間
忘れることはないでしょう
雨はまだ やみそうにありません