とりあえず一回通読しました。
一般にニーチェといえば最も理解に苦しむ哲学者の一人というイメージを持たれていますが、実際に読んでみると、もう全くその通りで意味が分からないを通り越して腹が立ってきます。本論に入って1P目の1行目から理解できないというのは、逆に清清しさすら感じました。
というわけで、内容に関しては正直さっぱり分からなかったんですが、それでも何とか理解した範囲でまとめると「理性主義はいかん」ということなのでしょうか。まあ、よく分かんないです。
ところで、内容よりも目に付いたのがニーチェの暴言の数々。この「悲劇の誕生」は学会でもかなり指弾されたようですが、思うに内容よりも書き方が人をムカつかせたのではないかと思いました。ニーチェさんはかなりの激情家らしく、自分たちの同僚を指して「あいつらは何を血迷っているのだ」「あいつらはアホだからこんなことも分からないのだ」とか言いまくり。読者に対しても「私の言ってることが分からない者は自分の才能のなさに絶望するとよかろう」とかムチャクチャいってます。時々冷静に戻るのか「もっと落ち着いて書こう」みたいなことを言いますが、ほんの5、6ページもすればまた以前の調子に逆戻り。なんなんだこの人は。
それにしても、こういう歴史に名が残る人というのは大変ですね。巻末にニーチェの歴史年表みたいなのが付いてるんですが、これがもう実にかわいそう。「18**年 ***に求婚するがふられる」みたいなのが何回も出てきます。最後は周知の通り発狂して死んでますし。いつ誰にフられたかまで記録されて後世に語り継がれるなどニーチェは実に哀れです。結局、最後まで結婚できないし。
他の解説書とか読んで、内容理解できたらまた書きます。
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