マッサージ妄想 13 - 14


(13)
試しに人差し指と中指の先を揃えて、ほっそりと締まった足首からふくらはぎの途中まですうっと
撫であげてやると、アキラはピクリと身を竦ませたものの何も言わず、息を潜めて社の手の動きを
追っているようだった。
それを確認してから更に上へとゆっくり指を滑らせ、透けるように白い膝裏を軽くくすぐってから、
捏ねるように押し揉む。
はぁ、とアキラが切なげな溜め息を洩らす。
それを合図に、社は浴衣の裾に手を差し入れ、隠された太腿をぐっと掴んだ。
「あっ・・・・・・」
アキラが枕の上でかすかに頭を起こす。
それに構わず社は両手でアキラの太腿を緩急をつけて撫でさすり、同時にじわじわと裾を捲り上げていく。
紺の浴衣の裾がアキラの尻のすぐ下辺りまでくしゃくしゃに捲り上げられ、腿からふくらはぎ、
足首へとすらりと伸びた白い両脚の全容が露わになる。
(ああ、綺麗や・・・・・・!)
賛嘆の溜め息を一つついて、感極まったように社はその白く輝く太腿にむしゃぶりついた。

「んっ、うぅん、ん・・・っ、・・・・・・社・・・・・・っ!」
舌で膝裏の窪みの敏感な部分を舐め回しながら右手でふくらはぎを揉みしだき、左手は太腿の内側に
差し入れてしっとりと汗ばみ始めたその感触を存分に楽しむ。
「塔矢・・・・・・」
内腿に這わせた指を煽るようにざわめかせてやると、答えの代わりにハァッ・・・、ハァッ・・・と
早くも切羽詰まった喘ぎが返ってくる。
うつ伏せたままのアキラの脚を抱き、よく湿らせた唇で太腿の表面を食むように吸い付いては離し、
ぎりぎりまで捲り上げられた裾の中へと逸る手を差し入れてみて、社は思わず手を止めた。
驚いてアキラを見ると、アキラは横顔を真っ赤にして目を閉じ、切ない呼吸を繰り返している。
浴衣一枚の下は、アキラは何一つ身に着けてはいなかったのだ。


(14)
「塔矢」
アキラの背面からそっと包み込むように覆いかぶさり、耳元まで唇を寄せて囁く。
「初めっから、こうさせてくれるつもりやったんか」
浴衣の下の素肌に直に触れられて身を震わせながらアキラが頷く。
ならさっき社が布団に押し倒した時にでも応じてくれればいいようなものだが、どうもアキラにとって
社は常に自分の顔色を窺い、尽くすべき存在として位置づけられているようで、
そんな社を自分が誘惑するのはいいが社が自分を押し倒すのは我慢ならないといった意識があるらしかった。
(さっき塔矢はオレを優しいゆうたけど・・・・・・それってつまり、都合のええ男思われとるゆう
ことかもなぁ。なんや寂しい気もするけどこれも惚れた弱味や。しゃあないわな)
そのくせアキラは一度抱き始めればとめどなく続きを求めて止まらないことがあった。
今もアキラは熱っぽい声を切なくかすれさせて社を煽る。
「・・・・・・今日は久しぶりに会ったから・・・・・・なんでもキミの好きなようにしてくれていい・・・・・・」
頬を紅潮させ、涙ぐんだような瞳で囁き返されて、一気に股間が固くなる。
「エエんか」
アキラはコクンと頷いて身をよじり、両腕を社の首に絡めて来た。

浴衣の下に入れた右手をかすかに動かしただけでアキラの全身がビクンッと大きく震え、
社の首に回した両手に力が籠もる。
焦らすように手の動きを止めて顔を近づけると、待ちかねたように形のよい唇が開くから
薄紅色に濡れた柔らかなそこに舌を深く差し入れ、口腔内の粘膜の感触をじっくりと味わう。
呼吸が苦しくなったアキラが横を向いて逃れようとするのを顎を捉えて固定し、
口中に溜まった二人分の唾液を唇の端から零そうとするのをクッ、と上向かせて無理に嚥下させると、
アキラの白い喉がゴクリと鳴った。



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