マッサージ妄想 23 - 24
(23)
(えぇっ、なんでやねん!そらないで塔矢!アンタもその気でノリノリやったんとちゃうんかい!)
悶絶しそうな表情で硬直している社に、アキラはその部分を手でしっかり覆い隠したまま
少し顔を赤らめ申し訳なさそうに言った。
「違うんだ、社。そうじゃなくて、その前に・・・・・・」
形のよい唇が軽く開き、中から赤い舌がチロリと覗いたかと思うとねっとりとした動きで
自らの口唇の周囲を舐めまわす。
「こっちにも、欲しい・・・・・・」
「あ、・・・・・・」
先ほどまでの熱に浮かされたような表情から一転し、明確な意志を持つ物欲しげに潤んだ瞳が
社を捕える。要求されているものを察して社も多少自分の頬が赤らむのを感じた。
「・・・・・・別に構へんけど・・・・・・」
「そう?じゃあ、」
と嬉しそうに微笑んでアキラは指をそっと伸ばし、軽く押すように社の胸に触れてきた。
その手に促されるようにアキラの上から身を起こし、布団の上で膝立ちにさせられる。
同時にアキラも身を起こすといそいそと社の前に座り、キスをする前に恋人の顔に手を添える
ような仕草で社の腰まわりに手を掛けた。
そのままジッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・と、昂り滾る部分に視線を当てられる。
(・・・・・・うわ、またコレや・・・・・・)
社は今度こそ自分の首から上が真っ赤になるのを感じた。
行為のたびにアキラは社のモノを口で味わいたがったが、その前に必ずこうして、
やがて自分の口が含むことになるモノを観察した。初めて関係を持った時からそうだった。
社はあらゆる面において自分の体躯には自信があったし、それは両脚の間に雄々しく存在を
主張するその部分についてもそうだった。
過去に社が交際してきた多くの異性のベッドにおける反応もまた、その自信を裏付けてくれていた。
現にこれで刺し貫いて責め立ててやれば、アキラをも半狂乱で善がらせることが出来るのだ。
(24)
だがこうしてアキラに真顔でしげしげとその部分を見つめられると、社は急に身の置き所がないような、
拠って立つ足場がぐらぐらと揺らいでいるような、羞恥と不安の入り混じった気分に襲われてしまう。
アキラが今まで何人の男と関係を持って来たのか、正確な数は社も知らなかった。
自分のモノを熱のこもった眼差しで観察しながら、頭の中ではアキラは彼らの雄と目の前の
雄とを引き比べ、どちらが優れているのか、順位をつけるとしたら何番目か、
目の前の雄は本当に自分を満足させ得るものなのか、見定めているのかもしれない。
アキラにとってセックス相手としての自分は何番目の男として位置づけられているのか。
そんな風に考えただけで存外繊細な社は涙目になってしまう。
「と、とーや。そんな見んといてや」
思い切って声を出してみたが、腰の抜けたような弱々しい声だった。視線をそこから外さないまま
冷静にアキラが聞き返す。
「どうして?」
「どうしてて・・・・・・そんなに見られたら、オレかて、恥じらってまう・・・・・・」
たじろいだ気持ちが身体の動作に表れてしまったのか、社の膝が僅かにアキラから逃れるように
後ろへ一歩退いた。
その途端アキラは目を大きく見開き、決して逃すまいとするかのように
腰に掛けた手にグッと力を込めて来た。そのままパッと顔を上げ、泣き出しそうな顔で見つめてくる。
アキラが勢いよく顔を上げた瞬間跳ね上がった前髪が昂りの先端をかすめ、社は思わず前屈みになった。
「と、塔矢、ちゃうで。今のはつい・・・・・・」
弁解する間も与えられないうちに見上げてくるアキラの瞳はウルウルと涙に潤み、
次いできゅっと目を閉じて首を振ったかと思うと、大きく息を吸い込み
ぱくん!と社のモノを咥えてきた。
「とっ・・・・・・」
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