盤上の月 55


(55)
──そんな・・・・・・、う・・・嘘だっ!?
アキラは両手で頭を抱えてテーブルの上に突っ伏した。が、すぐ上体を起こして素早くその場で
立ち上がった。すると、ちょうどそこへ明子が薬箱を持ち居間に戻ってきた。
「アキラさん、お薬持ってきたわよ」
心臓が高鳴り、ざわつく心をアキラは懸命に落ち着かせながら、
「お母さん、ここ痒くも痛くもないから大丈夫だよ」とだけ言うと、急ぎ足で居間から出て行き、
風呂場へ向かった。
「何をそんなに慌てているのかしら、おかしな子ねぇ?」
不思議そうに明子はアキラを見送った。
アキラは風呂場の脱衣所でセーターを脱ぎ、シャツのボタンを2,3個外す。鏡の前に後ろ向きに
立ち、鏡に映った自分の首後ろを見るため、髪を片手で上げながら斜め後ろに振り返った。
そして、鏡に映った首の後ろ側近くにあるキスマークを見つけると、再び居間で頭を駆け抜けた
記憶がより鮮明に蘇る。ヒカルと激しく抱き合いキスし、自分の全てをヒカルに預けた場面が
何度も津波のように繰り返す。
「嘘だ・・・あれは・・・・・・あれは夢だったはずだっ!!
ボクは今まで血の滲むような努力を積み重ねてきた。
周りなど一切顧みず、神の一手を目指す志でいつも碁を打ってきた。
それがボクであったハズだ!
あんな女みたいなボクは知らない、あれはボクじゃないっ・・・・・!」
どんなに自分の感情に抗おうとしても、首筋の刻印が夢や幻想ではなく現実に起きた事だと
容赦なくアキラに突きつける。
忘れていた記憶が蘇るとともに、次第にアキラの体は熱くなっていった。堪えきれずアキラは
その場でしゃがみこみ、ズボンと下着を膝まで降ろし、猛々しく反り立ち脈打っている自分の分身
を握った。先端は すでに透明な雫を垂らし、ビクビクと微かに震えている。



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