マッサージ妄想 73 - 74


(73)
「・・・・・・っ」
がくんと倒れ込みそうになるアキラの重みを支え、壁に手をつく。それから社は視線を下ろし、
自分の腹部から胸の下辺りにまで飛び散ったものを眺めた。
(エーと、これはやっぱり・・・・・・オレの言葉に反応してこうなった言うことやな?)
驚きと共にじわじわと嬉しさが込み上げる。
さんざん脚を弄ってアキラを昂らせた後ではあったが、少なくとも今自分は愛撫らしき行為を
ほとんどしていなかった。アキラの到達を促したのは紛れもなく自分の言葉だろう。
肉体の快楽ではなく、気持ちの上でアキラを到達させた。
自分の深部から出た言葉が、アキラの深部まで届いた。そう思えた。

「塔矢」
子供のように弾んだ声で顔を覗き込もうとした時、俯いたアキラの耳が真っ赤に染まり
固めた拳がプルプルと震えているのに気づいた。・・・・・・恥ずかしがっているのだろうか。
そう思うとまた要らぬ嗜虐心が頭を擡げる。
ウー、エヘンと咳払いで喉の調子を整え、アキラの手足をぴったりと壁に押さえつけて
再び耳元に唇を寄せた。
「・・・・・・塔矢」
わざと低い声で甘く囁いてやるとそれだけで腕の中のアキラの身体がびくんと反応する。
社の意図を悟ったアキラが逃れようと腕を突っ張ってくるのを無視して更に強く押さえ込み、
耳の中へと注ぎ込むように低く囁く。
「・・・・・・好っきやねん・・・・・・」
途端にアキラの身体がゾクリと震えて、次の瞬間社の肩に鋭い痛みが走った。
「う、あたたっ、・・・と、塔矢!?」
アキラが首の根元に近い部分に噛み付いているのだと気がついた。
次いでアキラは「くっ」と唇を噛み締め唯一自由に動かせる頭を振るって、社の顎に強烈な
頭突きを食らわせて来た。


(74)
思わず後ろに二、三歩よろめいて顔を上げると、押さえつけから解放されたアキラは
自らも頭突きによってダメージを受けたのか一秒ほど額を押さえ目を閉じていたが、やがて
首から上を真っ赤にして、怒りの形相でこちらを睨みつけた。
「塔矢・・・・・・突然何するねん!」
「それはこっちの台詞だ!キミはボクをからかって楽しいのか!?」
「か、からかってなんかあらへんで!オレ、ホンマにアンタのこと好きや。それを正直に
言うて何が悪いんや、もー」
多少嗜虐心に突き動かされた部分もあったことは棚に上げて抗議する。
「・・・・・・だからって、あんな言い方をすることはないだろう?あんな・・・その・・・、
・・・・・・とにかく、キミがそんな事ばかりするならボクはもう出る!」
「えっ待ち、出る言うたかてまだ泡も流してへんし、危ないでってホラ!」
「あっ」

泡まみれの足で踵を返そうとしたアキラがツルリと滑り顎を浴槽の縁に打ちつけそうに
なるのを、すんでの所で支えた。
「・・・・・・」
「言わんこっちゃない。・・・・・・だいじょぶか」
「大丈夫。・・・・・・ありがとう、社。・・・・・・」
助けてもらった手前それ以上出て行くとも言い出せず、膝立ちで浴槽の縁につかまったまま
言葉を探している風なアキラを背後から軽く抱きすくめた。
アキラは抗議するように一瞬身体を強張らせたが、構わず腕に力を込めると諦めたように
緊張を解く。そのままふうっと重心を移動させて、こちらの身体に背を凭せかけてくる。
拒絶の意志はないと感じた。



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