ノーマル部屋
新婚部屋
強姦部屋
クスリ・病気部屋
パラレル部屋
passenger
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by Junya K.2002.summer.

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two




「痛って……」

頭部を抑え、うめきながら、啓介は身を起こした。
暫く乗っていなかっただけで勘が鈍ってしまったのだろうか。さしてコーナーも曲がらぬうちに、情けなくもクラッシュしてしまった。
衝撃も損傷も大したことはなかったが、そういえばどうもマシンの調子がおかしかったと今頃になって気付く。スピードが殆ど殺されていた。

(アニキ、か……)

深く息を吐き出して、啓介は再びバケットシートに身を埋めた。

本当は分かっている。
何も本気で信じていたわけじゃない。タイムマシーンだなんて、まるで夢物語同然だ。過去に戻ることが可能であるなどと、本気で思っていたわけではなかった。
非現実に逃げなくては、この脆い精神が耐えられなかっただけだ。
拓海は何の前触れもなく唐突に逝ってしまった。かろうじて生きてはいるが、一生目覚めないなんて、死んでいるも同然だ。
こんなに突然。あまりにも呆気なく。その存在が失われてしまうだなんて。
目を覚まさない拓海をこれから先ずっと見続けて行かなくてはならないと思うと、怖くて不安でどうしようもなく、心がきりきりと悲鳴を上げていた。
あの日、仲違いをしたまま別れてしまった拓海。後悔はいつだって、先には立たない。

自分と拓海は想い合っていた。特別な関係だった。だから、この胸の痛みは誰にも分からないと思っていた。現実逃避することの何が悪い。あいつを失ったこの気持ちを、他人が理解できるはずがない。
けれど……そんなものは、ただの甘えだと気付かされた。
拓海を失った悲しみは、兄とて同様だ。
それなのに彼は何も言わず、弟を気遣い、こんな馬鹿げた行為にも付き合ってくれた。

「……帰るか」

まだ現実を直視できるほどの覚悟はないけれど、少しずつ感情を整理していかなければ。兄が言ったように、拓海が万が一戻ってきた時に、また視線を同じくしてプロジェクトDという関東最速を賭けたチームで走れるように、頑張らなくては。
涙が滲むのは、まだそんな風に割り切った考え方を全面的に受け入れることができないからに他ならなかった。けれど、いつまでも甘ったれてはいられない。あいつに笑われる。

深呼吸を終えて、頂上に戻った啓介は、人影が消えていることに気付いてその場に立ち竦んだ。

「アニキ……一人で帰っちまったのか?」

まあ、それならそれで仕方がない。
早々に結論付けて、啓介もまた、帰宅することにした。

赤城からFDのテールランプが消え去っても、風は変わらずに凪いでいた。







それは、奇妙な旅路の始まりだった。

自宅に戻った啓介は、そこに見知らぬ家屋が建立していることに気付き、唖然とした。何故だ。いくら何でも自宅の場所を間違えるはずはない。電柱の住所を確認して、自宅の所在地に間違いないとますます確信を深めるが、どう見ても我が家とは異なる一軒屋が、その場に存在していた。
面食らったまま、考えられる限りの事態を想定してみる。
何かトラブルがあって、病院を始め、家まで差し押さえられた……? いや、それにしたって、こんな短時間で家を建て替えるなんてどう考えても不自然だ。自分達が外出していたのは、たかだか三時間やそこらである。
考えれば考えるほど、謎ばかりが深まる。

途方に暮れ、啓介はジャケットに入っていた携帯電話を取り出した。

「……電波がねえよ……」

普段は三本のアンテナが立っているはずのこの場所で、圏外だなんて。

何かが、おかしい。
野性的な勘が、決定的な違和感を促した。

朝を待って、高崎駅に出向いた啓介はますます驚いた。
あるはずのデパートがなく、潰れたはずの店が当たり前のように営業している。パニックを起こしそうになった自分に、ちょっと待て、落ち着いてよく考えろ、そう言い聞かせ、ようやく啓介は事の次第を掴み始めようとしていた。

(……あの店が生きてたってことは……オレが、中坊の時だよな。ま……さか……?)

まさかそんな。
辿り付いた結論に愕然とする啓介の目に、店頭に飾られたカレンダーの日付が飛び込んできた。啓介の瞳が、驚愕に大きく見開かれる。

------そこには、七年前の西暦がはっきりと記されていた。





手放しで信じられる事態ではない。啓介はそれから暫く様々な場所を回って確認を取ってみたが、やがて、ここが七年前の世界に間違いはないと確信した。
七年前、現在と同じく高崎には住んでいたが、父親があの家を購入したのは確か自分が高校生になってからだ。そう考えると、あの場所に自宅がなかったことも頷けた。携帯の電波が入らないのも同様だ。七年前は今のように携帯電話が普及していなかった。

(……アニキって、もしかして……超天才なんじゃねえか?)

本当に時間を逆らって、過去に来てしまうなんて思いも寄らなかった。
どうしていいのか分からなくなってしまうほどの異常事態には違いなかったが、今の啓介の気持ちははっきりと定まっていた。

こうしてはいられない。やることはひとつだ。

「藤原ん家は……伊香保だっけな」

拓海との未来を取り戻せる希望を得た啓介は、とにかく前向きだった。共に時を駆けた愛車を飛ばし、伊香保へと急ぐ。





「藤原豆腐店……ハチロクも停まってるし、間違いねえな」

見上げた豆腐店は記憶の中のそれより、幾分新しい。
まずは拓海に会わなければ。啓介は気合いを入れ直し、店の扉を潜った。

「いらっしゃい」

無愛想な声が、啓介を出迎えた。
拓海の父とは何度か面識があったが、勿論、七年前の彼が啓介を知っているはずはない。出会った文太はやはり、自分が知っている彼よりも少し若いように思えるが、同じ男として憧れる渋さはこの時代でも健在であった。

「何か?」

黙ったままの啓介を不審そうに眺め、文太は尋ねてきた。はっと啓介は我に返る。

そうだ、何て言えばいいんだ?
お宅の息子さんに会いたいとでも? そんなこと正直に言ったって、今の自分とこの時代の拓海とは何の接点もない。年が近ければ友達だと誤魔化すこともできるだろうが、七年前ということは、拓海は現在十二才。十も歳が違うのに、友達という理由は苦しい気がした。
まずい。会うための口実なんて全く考えてなかった。

「用がないんなら、帰ってくれよ」
「あ! あの!」

弾かれたように顔を上げた啓介を見て、文太は咥えていた煙草からぷかりと煙を吐き出した。

「……絹ごし、みっつ」
「あいよ」

違うだろ!と啓介は自分を叱咤する。

(チクショー、やっぱりアニキも連れてくればよかったぜ。オレじゃまともな理由考えつかねー。一度不審者だと思われたら、二度と藤原には近づけてくんねーだろうし、やばいぜ……)

早くもお手上げ状態の啓介は、だが名案を思いついた。豆腐が入ったビニール袋には目もくれず、声高に叫ぶ。

「あの、オレ聞いたんだけど! あのハチロク、すげーかっこいいですね! だから少し話が聞きてーんだ、いいだろ!?」
「……はあ?」
「秋名ですっげー速いって聞いたぜ。オレも余所の峠で走ってんだ。いずれ日本一のドライバーになるつもりでな。な、色々聞かせてくれよ!」

啓介の勢いに呆気にとられていた文太は、渋面を作って素っ気無く返答した。

「悪いが営業中だ」
「そう言わずに、頼むぜ!」

啓介としてはここで引き下がるわけにはいかない。必死に言い募る啓介と、そして背後に停められたセブンを交互に眺め見て、文太はぶっきらぼうに口を開いた。

「あれ、あんたの車か」
「ああ。いいマシンだろ」

言って、啓介は冷やりとした。七年前といえば……FDはすでに製造されている。セーフ。だが、パーツはこの時代に市販されていないものも含まれているはずだ。どう言い訳しようか考えあぐねていた所、文太は仕方ねえなあとばかりに頷いた。

「まあいいや。客がきたらあんたの相手はできねーぞ」
「……充分だ」

口元に笑みを乗せる。第一関門は無事突破したようだ。
あとは拓海の下校を待つばかりである。




そのまま、文太にハチロクを見せてもらっていた啓介は、本来の目的をすっかり忘れて没頭してしまった。ここが七年前の世界だと失念しかけていた頃、玄関口で「ただいま」と声が響いた。
声だけでは確認できないが、確か彼は一人っ子だと聞いている。拓海に違いない。

「今の誰?」

わざとらしいとは思いつつ、会話を拓海に会う流れに持っていくきっかけとして、啓介は問い掛けた。文太は簡潔に答えた。

「息子だ」
「ふーん。小学生?」
「そうだが?」
「あんたの息子だったら、運転も上手くなるだろうな。試しに乗せてみれば?」
「馬鹿を言うな。捕まったら俺の責任になる」
「きっとすぐに上手くなるんじゃね? なんだったら、配達とかさ、家業手伝わせてみれば?」
「……それは使えるな」

余談だが、冗談で言ったこの何気ない一言が、後々自分の首を締める結果になろうとは、この時の啓介は思いもよらない。

「なあ、オレ、息子さんの家庭教師やってやるよ。ほら、色々聞いてお世話になったし」
「何だ急に。いらねーよ。あいつは頭が悪いんだ」
「なら、尚更だろ。こう見えてもオレ、れっきとした大学生だから任せてくれよ」

啓介の唐突な申し出に文太は首を傾げたが、車という共通点で共感を得た啓介を疑うこともなく、二階の窓目掛け、声を張り上げた。

「拓海ー、ちょっと来い」

しばらくして、部屋の窓ガラスががらりと音を立てて開き、一人の少年が顔を出した。

(う、わ……)

啓介は感動すら覚える。
まだ幼い頬の輪郭と小さな体。過去の拓海が、すぐ近くにいた。ついにご対面を果したわけである。
拓海は、顔つきや体つきさえまだ子供であったが、基本的に顔の作りは今現在の彼と少しも変わらない。あどけない面には、頑固そうな雰囲気が漂っていた。

「この兄ちゃんが勉強教えてくれるんだと。お前、どうする?」
「いらねー」

文太の言葉を、拓海は間髪入れずに拒否した。啓介は思わずむっとしたが、気を取り直して告げる。

「別にいじめたりしねーから、心配すんなよ」

今度は拓海がむっとする番だった。不審げな目つきで駐車場の啓介を眺め下ろして、あまり歓迎していないとアピールしながら尋ねてくる。

「誰?」
「オレか? オレは通りすがりの兄ちゃんだよ。まあそう遠慮すんなよ。親父さん、上がらせてもらうぜ」
「なんだよ、お前!」

拓海の非難が耳に届いたが、構わずに啓介は入り口にまわってづかづかと無遠慮に室内に上がり込んだ。
残された文太は台風のように賑やかな啓介の言動に面食らっていたが、「まあ悪い奴じゃなさそうだから放っておくか……」との見解に至り、再び店内に戻っていく。






「別に勉強なんて興味ないから」

許可してもいないのに勝手に二階の部屋にやってきた啓介を前に、幼い拓海はそうやって威嚇してみせた。構わずに啓介は明るく告げる。

「じゃ、ゲームでもやるか? プレス……スーファミどこ?」
「……そんなもん、持ってない。父ちゃんが買ってくれなかった……」

拓海の返答に、突っ込んだことを聞いてしまった気になって啓介は少しだけ反省した。
拓海を怖がらせないよう、なるべく好印象に繋がる笑顔を浮かべ、まずはコミュニケーションを確立させることから始めることにする。

「オレは高橋啓介だ」
「訊いてねーよ。帰れよ!」

一蹴され、啓介は早くも己の細い忍耐の糸が切れ掛かっていることを自覚した。
拓海はその大きな瞳で、啓介を不快げに睨んできた。

「勝手に人んち上がり込んで、誰だよ、おまえ。別におれ、成績なんか悪くたっていいんだ。中学も高校も県立でいいし、将来だって大学なんか行く気ないし。だから帰れよ」

随分と嫌われたもんだ……と啓介は内心で嘆息した。そういえば、秋名で出会った時の自分達も、最初の印象は最悪だった。この展開も仕方がないかもしれない。
けれど、自分は拓海のためにこうしてわざわざ過去までやってきてやったというのに、この可愛げの無さはなんだ。
肝心の一言をさっさと告げてしまいたくなったが、突然「お前は植物人間になる」と告げられたらたまったものではないだろう。しかも、目の前の拓海はまだ子供だ。その悲惨な未来を冷静に受け入れられるとはとても思えなかった。

「うーん、スーファミないんじゃしょーがねえな。オレと峠流しにでも行くか?」
「興味ないね」
「じゃあ、宿題やってやるよ。貸してみろ」
「余計なお世話だ」
「……じゃあ、テレビでも見るか?」
「見ない」
「……。……キャッチボールでもするか?」
「しないよ」

ぶちっと頭の中で音がした。

「うざってぇ! 決めた。お前は今からオレとドライブだ! 文句はねえな!?」
「な、行かないって言ってるだろ!」

嫌がる拓海を無理矢理肩に担ぎ上げて、啓介は部屋の扉を開け放った。

「いいか、てめえよく聞け。オレは、お前を助けにわざわざ未来から来てやったんだ。そのオレに、なんだこのクソガキ、その態度は!」
「未来……!?」
「そーだよ! お前のために、オレは来たんだよ。ったく、人の苦労も知らないでいつまでもぐちぐち女みてーに文句たれてんじゃねー!」

じたばた暴れる拓海のか弱い抵抗は、大人である啓介に通用するはずもなく、易々と運ばれてしまう。
FDの助手席に投げられた拓海は脅えた表情で、店の前で水撒きをしていた父親に助けを求めた。

「父ちゃん! こいつ、やばいよ! 未来から来たとか、意味わかんないことばっかり言ってる! 頭おかしいよ、警察呼んでよ!」

何事かと振り返る文太に歩み寄った啓介は、真剣な表情になって口を開いた。

「オレはほんとにあやしいもんじゃねーんだ。頼むから信じてくれ。あんたの息子に危害加えるつもりは誓ってねえし、絶対に危険な目には会わせない」

啓介の瞳をじっと見て、文太は燻らせていた煙草の紫煙を吐き出した。

「早く帰ってこいよ」
「おう。二時間くらいで戻る」
「父ちゃん! ひでえよ!」

拓海の悲痛な叫びを響かせながら、FDは走り去った。





発車してからも暫くは騒いでいた拓海であったが、直に大人しくなった。
ほっとしながら横を振り向いた啓介は、その途端、ぎょっとする。

「……お前、泣いてんのかよ?」

拓海は、啓介から顔を背け、窓の外を見ながら肩を震わせていた。

「……父ちゃんはおれを見捨てたんだ……。母ちゃんがおれを置いてうちを出て行った時と同じで、父ちゃんもおれがいらなかったんだ……」
「ちょっと待てよ。お前ん家の事情にとやかく言えねーけどさ、お前の親父はオレにお前を預けてくれたんだろ? それが何で捨てたことになってんだ?」
「そういうことだろ……おまえみたいな……あやしすぎる奴におれがさらわれてくとこ見てたくせに、何も言わなかった……」

うっうっと咽び泣いていた拓海は、顔を上げて啓介を正面から見た。涙に濡れる頼りない双眸が、それでも必死に年上の啓介を睨みつけている。

「ちくしょう……。でも、ただじゃ殺されないからな! 殺される前に殴ってやるからな!」
「お前、どーゆー飛躍だよ……」

別に殺すつもりなんかねーよ、と唇の上で呟いて、啓介はアクセルを踏み込んだ。もうすぐ、秋名峠に差掛る。

「言ったろ。オレはお前を助けるために来たってな。安心しろよ」

見知った峠道が目の前に広がる。二人があの日、偶然に出会った、この場所。
もしあの日、あの時間に秋名を走っていなかったら……拓海に出会わなかったら、今頃オレは? ……分からない。過ぎ去ったことなんか、変えようがない。
けれど、こうして今、自分は確かに過去に遡って、自分達の運命を曲げようとしている。

「悪いな、今から手の内見せたくねーんだ。一回だけな。まだ夕方だから、70%で流してやる。よく掴まってろよ!」

考えても分からないことばかりだった。
本当に未来は変わるのか。
自分は本当に、この存在を失わずにすむのか……。






「悪かったな。怖かっただろ?」

一時間後、麓のパーキングにFDを停め、ふたりはのんびりと伊香保の街を歩いていた。
まだ体も小さい拓海を配慮して、全開で飛ばす気はなかったのだが、拓海が横に乗っていると意識した途端、その余裕もなくなってしまった。年齢や外見は異なるけれど、彼は同じ藤原拓海という、啓介が愛した存在だ。大人気無いと思いつつも、手抜きはできなかった。

「別に」

啓介が買ってやったアイスを口元に運びながら、拓海は無愛想に答えた。それは強がりではなく、本心であるようだ。幼いながらも、さすが拓海である。この程度のスピードとGでは動じないらしい。

(あー……ガキの藤原と呑気にガリガリくん食ってる場合じゃねーんだけどなー……)

それでも、当初よりは拓海も慣れてくれたように思える。まだ懐くというまではいかないが、啓介に対し、敵愾心を剥き出しにすることはなくなった。良い傾向だ。
しかし拓海の、ぼけっとした性格はこの頃から変わりないらしい。ボケが移ってしまったように、啓介までもがぼんやりとしながら夕闇が落ちる街に佇んでいた。

「あ、当たりだ」

アイスを食べ終わった拓海が、棒を眺め下ろして、高い声で小さく呟いた。大分高い位置から拓海の手元を覗き込んだ啓介に、拓海は視線を合わせて言う。

「当たりが出たら、もう一本もらえる」
「よかったな。交換しに行くか?」
「うん」

素直に頷いた拓海に、可愛いじゃねーか最初からこうしてろよ、とぼやきつつも、優しくその髪を撫でてやって、歩き出した。

「お前、アイス好きだっけ?」
「好きっていうか……父ちゃん、こういうの、あんまり買って来ないから……」
「ならもっと買ってやればよかったな」

言いながら、啓介はふと何かを思い出し、拓海を見た。

「……手、繋ごうぜ、藤原」
「え?」

きょとんと、拓海はあどけない瞳を見開く。
安心させるように微笑んでやって、啓介は拓海の手を取った。小さなてのひらは、夕日と同じように暖かな体温に満ちていた。
拓海は少し照れくさそうな顔をしていたが、腕を振り解くことはなかった。

これだけ外見年齢が離れていれば、誰しもが仲の良い兄弟だと思うだろう。
街中、手を繋いで歩いても、誰も振り返ることはない。誰にも咎められない。奇異の目で見られることもない。
本当は、十九才の拓海と、こうして堂々と街を歩きたかった。
本来の時間軸で起こった悲劇を思い出し、少しだけ、啓介は泣きたくなった。



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