白と黒の宴3 1
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体内の奥深い場所で熱く大きく昂ったモノがゆっくりと動いている。
そして同時に、自分自身の昂りも上にのしかかった相手の体重によって
程よく圧迫され、アキラはもう長い間夢心地のような甘い感触の波上に漂っていた。
「…緒方…さん…」
もう少しこうして居たかったが、今日は棋院で手合いがある日だった。
北斗杯の予選の後で激しく緒方に抱かれてからほぼ連日のように僅かな時間に
こうして緒方と会って体を重ねている。
あの後、アキラが自ら緒方のマンションの部屋を訪ねた時緒方は
少し戸惑った表情をした。
「…いいのか…?」
部屋にあげればそれは行為をくり返す事を意味する。緒方は迷っていた。
そんな緒方だからアキラは彼を放っておく事が出来なかった。
ゆうべも、この部屋に来たが夜のうちに帰るつもりだった。
だが緒方が離してくれず、以前社がラブホテルのベッドの上でアキラの体を
抱きとめたまま逃そうとしなかったようにされてそのまま眠り込んでしまった。
ただそれは、社のように強引なものではなかった。
一度はアキラが緒方の腕を払って体を起こしたのだが、
「…行くのか」
と悲しそうに呟く緒方に、アキラが負けたかたちだった。
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