白と黒の宴3 11
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アキラのその言葉にヒカルはぶ然とした顔になった。
「はあっ!?何だよそれ、失礼な奴。見てたよ、お前は不戦勝だろ。
オレはちゃんと打って勝って来たんだぜ。」
そう言いながらヒカルはポケットから小銭を探し出し、アキラの向かい側の自販機に
流し込んでボタンを押す。アキラに背を向けたままヒカルは言葉を続けた。
「でもさー、つまんないよなあ、北斗杯東京で開催なんてさ。オレ、お前から
北斗杯は大阪でやるって聞いて、それで社にいろいろ聞いたのに。」
「えっ…?」
身に覚えのない話にアキラは一瞬キョトンとした。
「言ったじゃんか、大阪の何とかってホテルで開催されるって。」
「…それは違う。開催場所の候補として大阪と東京どちらかだという話がある、
という程度にしか君にしていないはずだ。」
「いいや、言ったよ、ハッキリ。」
買った缶ジュースに口を付けたヒカルとアキラとで睨み合う。
「ボクは言ってない!君が勝手にそう思い込ん…」
思わず力んで声を出しかけて、アキラは押し留まった。
ヒカルも受けて立つように睨み返していたが、アキラがフッとため息をついた。
「…言ったかもしれない。少なくとも君にそう誤解を与えたのなら謝る。」
ブハッとヒカルが飲みかけた缶ジュースを吹き出して咽せた。
「どうしたんだ!?塔矢!、お前らしくない!!」
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