白と黒の宴3 12


(12)
「…別に…。」
手の中でもうあまり冷たくなくなった缶を持て余すように転がしながら、思いきったように
アキラはヒカルに訊ねた。
「社…くんとは、あれから電話は…?」
2週間程前、手合いの日にヒカルから社から電話があったという話を聞いた時
アキラはドキリとした。
社が進藤にかなりな興味を持っている事は確かなようだったし、一方で
ヒカルにそうして接近する事でこちらを精神的に揺さぶっているのも感じ取れる。
社が東京のどこかのホテルに泊まりヒカルと会うつもりだと聞いて思わず
自宅に呼ぶ事を提案してしまった。
彼等二人とも目が届く範囲に置いておかなければと思った。

「うん、あの後直ぐに返事しておいたよ。待ち合わせの場所とか。あいつ結構
東京詳しいっぽかった。」
「電話したのは、それくらい?社くんからは他に…」
「うん?その一度だけで後は別に。塔矢、なんか都合でも悪くなったのか?」
「…いや、いいんだ。」
アキラのもとには社から何の連絡もない。
「…合宿の話をした時、彼は何か言わなかったか?」
「別に。“ふうん、わかった。”って、そんだけ。」
社の真意が見えない事がアキラは不安だったが、それ以上ヒカルに
しつこく問うわけにはいかなかった。



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