白と黒の宴3 21


(21)
かつて、東京駅の新幹線ホームまで見送らせて発射間際までアキラの肩を抱いて
離さなかった事を思うと、今回社は少し警戒するように、アキラと距離をとっていた。
自分のホームである分、どこで知り合いに出会うかわからないからだろう。
アキラが付け込ませない厳しいムードを漂わせていた事も大きかった。
それが本来のアキラの姿である事をようやく社は理解し始めていた。それでも、
寄り添う程度にアキラと並んで歩きながら社はまだ強気を残して聞いて来た。
「…わざわざ大阪まで、オレに抱かれに来たんか。」
「そうだよ。」
アキラは即答した。驚いたように社が横目でアキラを見る。
まだアキラの真意を掴み切れない様子だった。
「ただ、その前に、社、…君と一局打ちたい。」
「えっ」
アキラの言葉に一瞬社は動揺した顔を見せた。
「心配しなくても、勝敗とSEXは関係ない。ただもう一度君と打ちたいだけだ。」
雑踏の中で平然とそういう会話を続けるアキラに社が驚いて周囲を見回す。
行き交う人々で特に二人の話を耳に止める者はいなさそうだったが、あるいは
聞かなかった振りをしているだけかもしれない。
社が返事を躊躇っていると、アキラが冷ややかに笑みを浮かべた。
「…無理にとは言わない。」
アキラにそうまで言われると社も引き下がってはいられなかった。



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