白と黒の宴3 35


(35)
そんなはずはない。アキラは苦しんでいるはずだ。
耐えられない目に合って今に泣きながら「やめて」と許しを乞うはずだ、
社はそう思いたかった。だが。
「うあっ、…あっ…!」
ビクンとアキラの体が強く震え、社の希望に反した反応がアキラの身体に起こっていた。
体を繋げた近くで熱いものが迸る。
「あ、あ…、はあ…っ」
見開いた社の目の前に頂点に達して片手で額に手を起き、切なく吐息を吐き出す
アキラが居た。
髪を頬に張り付かせ、額に当てた手の下で目を閉じ吐息を漏らす唇から赤い舌が出て、
ゆっくり上唇を舐める。そして目蓋が開き、動きを止めた社を見る。
『…どうした…?』
アキラの唇がそう動いた訳ではなかったが社にはそう聞こえた。
『…もっと激しくしてかまわないよ…その方が…』
社は初めて、自分が抱いているその相手の本当の姿をようやく見たような気がした。
『いや、…そうでなければ…今のボクは満足できないんだ…』
涼しげな清らかな表情からは想像出来ない、アキラが内面に抱える闇のようなものの
深さを、色濃さを社は理屈でなく肌で感じた。背筋に冷たいものが奔った。
それでもその相手を、魔物であるかもしれないその相手を社は手放したくなかった。
アキラの胸にしがみつき、夢中で腰を動かした。



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