白と黒の宴3 37


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詳しい理由は分からなかったが、アキラが自分の中の欲求を持て余し誰かに
縋り付きたがっているのは最初に会った時に直感で感じた。
それにほぼ同時期に、自分とあの緒方が名乗りをあげたかたちになったのだろう。
だが社にはいつか自分が緒方からアキラを奪い切る自信があった。
進藤ヒカルという障壁の存在さえ知らなければ。
今、自分の肩ごしにアキラが見つめている相手は自分でも緒方でもない。
進藤だ。
アキラが見ているのは進藤の棋力であり、進藤と全身全霊で対局するアキラ自身の姿だ。
盤上でどれくらい自分を追い詰めてくれるか、それがアキラが欲していた相手を
選ぶ基準だった。無意識にしていたその選定にアキラが自分で気付いたのだ。
「はああっ、う…んんんっ…!」
夢中で吸い立て内部と外部を責められアキラは急激に2度目の頂点へと追われ
登り詰めた。社は生まれて初めて口にするその苦いものを飲み下した。
その社の目に、白いアキラの内腿にまでいくつも残されていた赤黒い痕跡が映っていた。
その表面が汗ばみ、戦慄いて震えているのを見て社の内部が高まり、
再び社は自分の腰をアキラの中に埋めた。
「う…!」
到達感が強く残る間に攻め入られてアキラは辛そうに首を振った。
それに構わず社は一気に自分自身を埋めて突き動かそうとした。
だが、そうしようとしてアキラと目が合い、真直ぐに自分の価値を、冷徹に
選定基準に照らされているような気がして再び社は勢いを失った。



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