白と黒の宴3 38


(38)
「…っ…」
社はアキラの身体の上に臥せると、両腕でアキラの身体を強く抱きしめ、
そのまま動かなくなった。

「……」
アキラは暫く黙って天井を見つめていたが、両手をゆっくり動かし、
胸の上の社の頭に触れた。
ビクリと、怯えるように社の肩が震えた。
アキラに無造作に押し退けられるのが怖かったのだ。
そして冷ややかに見つめられて
嘲る言葉の一つも吐きかけられたら、その時は、
自分はアキラを殺してしまうかも知れないと、社は思った。

だがアキラの指は社の髪に触れるとそっとそれを撫でた。そして
社の頭を抱えるように両腕で覆ったのだった。
「…!!」
社は驚いて目を見開き、そして閉じた。
アキラの胸に顔を伏せたまま溜め息を漏らした。
そんなふうにアキラに抱かれて、社は思い知った。
どんなに望んでもアキラが本当に求めているのはやはり自分ではないのだと。
詫びるようなアキラのその行為が物語っていた。



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