白と黒の宴3 4


(4)
アキラはすぐに緒方の意図を察した。
「…嫌です…!」
体を起こしてベッドの端に体を竦めたアキラだったが緒方に足首を掴まれた。
「まだそんなに濃くないんだ。一度きれいに揃えた方がいい。」
本気なのか冗談なのか、緒方は笑みを浮かべながらアキラの両足首を持って一気に引き寄せて
左足でアキラの右足を押さえ、右腕でアキラの左足を脇に抱え込んだ。
「緒方さん…!」
縋るようなアキラの視線を無視して緒方はアキラの膝を抱えた右手でシェービングムースの
缶を振り、左手にピンポン玉程度に取る。
アキラが動揺したのは行為そのものに対して以外に、緒方の持って来た剃刀がいわゆる
安全剃刀タイプのものではなく、二つ折りになるレザーナイフ型だったからだ。
緒方はムースを丁寧にアキラのその部分に塗り付けた。
「…動くなよ。」
左手で泡の中心で畏縮しているアキラ自身を摘み、緒方は剃刀の刃を近付ける。
アキラは諦めたように上半身をベッドの上に倒し、目を閉じた。
剃刀の刃はまだ産毛の延長程でしかない性毛の上を音もなく滑っていく。
「…ん…」
鋭い刃物が局部周辺を動く感触に、アキラ自身がじわりと緒方の指の間で質量を増す。
緒方がその反応を楽しむように指先を動かした。
「あっ…!」
緊張感で感覚が鋭くなったその箇所が敏感に反応し、さらに昂って透明な雫を滲ませていた。



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