白と黒の宴3 48


(48)
「社の親はプロになるのに反対だったんだ。」
ヒカルがそんな社に同情的な態度を取る事も更にアキラの気に障った。
その程度の気構えでは合宿で集まった意味がないのだ。
何の為に、自分が大阪まで社に会いに行ったのか。
本気かどうなのか分からないが、社が北斗杯を自分を親に認めさせる道具程度に
考えている事がアキラには信じられない事だった。
「北斗杯のパンフを居間に置いてきたったわ。あれを見れば家族も少しはオレを
見直すんやないかな。後は勝つだけや。」
“とにかく、勝てば文句ないやろう”と、アキラに対し同意を求めるような目を社は向けた。
「『後は勝つだけ』―か」
今度は社に対し、アキラの語気が強まった。
「北斗杯のレベルをわかっているのか。まさか勝ちたいと願えば勝てるなどと
幼稚なことを思っているんじゃないだろうね。」

『…強く…なってやる…、誰よりも…お前よりも…』
そう決意し、それを願うように社はアキラの胸の中で繰り返した。
あの時の心を絞り上げるように吐き出した言葉を、アキラの厳しい表情と視線で
社に思い出させた。社は言葉に詰まってアキラを見つめた。
「塔矢!」
何も知らないヒカルがアキラの態度に戸惑った。



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