白と黒の宴3 51


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ヒカル達に、自分達が死に物狂いでぶつからなければならない相手という
認識を持ってもらうに越したことはなかった。
そして組み合わせの説明を倉田にしてもらっていると、再びヒカルが口を挟んだ。
「大将・副将・三将って、どうやって決めるの?」
「団長が決めて対局開始直前に審判長にメンバー表を渡す。まあでも強い順に
名前を書くだけさ。」
当然と思われる倉田の説明をヒカルは思いつめたような目をして聞いている。
「うちの大将は実力・実績から言って塔矢だ。」
判っていただろうに、それを聞いてヒカルが口の中で歯を食いしばるのが
アキラには見てとれた。
まさか今この後に及んで、自分の実力をアキラより下だとはっきり評価された事が
悔しいという訳でもないだろう。
他に何か理由がある。そしてそれは高永夏に関するものだとアキラは感じた。

食事が終わって二組に分かれて本番と同じ時間をかけた手合いを始めたが、
アキラと対局しながらはやはりヒカルは焦りを隠せないようだった。
一手一手に声には出さない、強いヒカルの主張がアキラに聞こえる。
“自分はここまで打てる、だから、あいつと打たせて欲しい”
“もしもオレがお前に勝ったら、そしたら大将にさせてくれ”
“お前がオレより強い事はわかっている。だけど、高永夏と打たせてくれ、塔矢…!”



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