白と黒の宴3 52


(52)
“断る”
アキラはぴしゃりとヒカルのそれらの声を封じた。
五目半という2人の最近の対局では大敗と言える内容でヒカルは負けた。
検討の間もヒカルの悲痛な表情は見ていて痛々しく、苛立たしい気分を抑えて
アキラは冷静に淡々と倉田と検討を進めた。
ヒカルに頭を冷やして貰いたかった。
このままではヒカルは自分の碁を見失ったまま北斗杯に臨むことに
なってしまう。だが、
「ここ!くそっ!ここがまずかったか!」
ささいな自分の失着にヒカルが癇癪を起こし、不貞腐れたように席を立ってしまった。
さすがに温厚な倉田もそれには閉口したようだった。
そして話が大将以下、副将・三将の確認になった時だった。
「オレ、大将だめかな…」
誰がみても状況的に最悪なタイミングでヒカルはそれを口にした。
「ヤダネ!!何言ってんだよオマエ!」
当然倉田は即時却下した。
「韓国戦だけでいい!大将を…!」
その時ヒカルは唖然としたように自分を見つめる3人の視線に、ようやく自分が
とんでもない事を口走っている事に気がついたのだろう。
「…ううん!何でもない、…ごめんなさい。」



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