白と黒の宴3 53


(53)
「韓国戦?高永夏?」
沈んだように俯いてしまったヒカルにアキラは問いただすように聞いた。
「何故彼と?洪秀英ならわかるが?」
「洪秀英?」
社が状況を掴めずアキラにその名を尋ねて来た。
「2人は院生時に一度日本で対局しているんだ。」
社にそう説明するアキラにヒカルが驚いたように振り返った。
アキラはその場に居合わせた海王中の教師から聞いたのだとヒカルに話した。

当時、海王中でユン先生からその一局を見せられた時、その内容にアキラは
ヒカルの持つ特異なセンスに改めて驚かされた事を覚えている。
ヒカルがsaiなのかどうか見極めようと必死になっていた頃だった。
肯定も否定もしきれない、霧の向こうのようにハッキリしない、
かといって無視出来ない存在。
自分にとっていったいヒカルはなんなのか問い続けていた日々。
そのヒカルが今、こうして目の前に、いつも手が届くところに居る。
日本代表という名の下に共に戦おうとしている。
それが不思議だった。
今では誰よりもヒカルを理解し、彼の全てを知り尽くしているつもりだった。
そのヒカルが、自分以外の、誰か別の者を追おうとしている。

「もういいよ!オレは副将、文句なんかないよ!悪かった。」



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