白と黒の宴3 59
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「う、うん…」
アキラの言葉に頷き、ヒカルが左手をそっとアキラの脇腹に押し当てた。
ごくりと息を飲み、ゆっくりと表面にそって胸まで撫で動かす。
「あっ…」
ヒカルの指が一瞬アキラの胸の突起に触れて、今度はアキラが小さく体を震わせ
声を漏らした。暗闇で何も見えないのでヒカルはもう一度手で探り、
くっきりと勃ちあがったその突起部分を指で捉え、撫でた。
「あ、んっ!…」
ただそれだけの行為に、アキラの全身が粟立ち、ゾクゾクと震えた。
「何か…かたちが変わって来てる…塔矢のここ…」
ヒカルも興奮と好奇心を押さえられないようだった。
「…前に塔矢、棋院会館の廊下でオレのここに触っただろ。お返しだよ…」
アキラの胸に頬をつけて、ヒカルは悪戯っ子のようにアキラの片方の突起を
指で摘み、弄ぶ。そうしながらもう片方を口に含んだ。
「ん、くう…っ」
ヒカルの愛撫は、相手に快感を与えようとするというより、仔犬が乳を吸うように、
ただひたむきにスキンシップを求めようとする類のものだった。
そんな行為にアキラの体はアキラが自分でも戸惑うくらいに反応した。
「はっ、…っ、…んっ」
部屋の外に声を漏らすわけには行かず、アキラは自分の手の甲を口に当てた。
そして片手は頭の上に伸ばし、ヒカルにもっと自分を与えようとするように
胸を反り上げた。
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