白と黒の宴3 63
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ヒカルもアキラの体にしっかり腕を回し強く抱きしめる。
生まれて初めて味わう絶頂感に浸り何度も腰を突き入れて来る。
アキラも体内で脈打つヒカルを出来るだけ長く感じていたかった。
ヒカルをずっと胸に抱いていたかった。
自分の中にヒカルが入っている、そう思うだけで体の芯から熱で溶けるような
感覚が続いた。
溶け合ってしまいたかった。
誰にも引き剥がす事など出来ないように。
アキラはヒカルの髪に指を差し入れて撫でた。自分とは感触の違う、仔猫のように
ふわりとした柔らかい髪だった。
しばらくしてヒカル体が重くなったように感じた。
アキラの首元に顔を埋めるようにしてヒカルは寝息を立てていた。
アキラはそーっとヒカルの体から少し離れると、ヒカルの肩を撫でながらもう一度
ヒカルの額にキスをした。
翌朝、裸のまま寝入っているヒカルの隣にはすでにアキラの姿はなかった。
アキラは身支度を整えて洗面台に立ち、顔を洗っていた。
するとそこへ社がやって来た。社は何か言いたげにアキラを見つめていた。
「おはよう、随分早いんだね、社。」
アキラは特に何事もなかったように声をかけた。
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