白と黒の宴3 67


(67)
「進藤、お前どこにおったんや!?」
「トイレ。ねえ、朝飯どうすんの?」
「だからその買い物に行っとったんや。」
社が悔しげに唇をとがらしてアキラを見る。アキラは何気なくそっぽをむく。
そしてアキラはヒカルと目が合った。
ヒカルは一瞬顔を赤らめ、そしてニコリと笑うと洗面所に戻って行った。
昨日の苛立った表情が、ヒカルから消えたように感じてアキラはホッとした。
その日のヒカルはいつもの自分を取り戻したようにして集中して棋譜研究に参加した。

そして夜、やはりヒカルはアキラの部屋にやって来た。布団に横になって
棋譜を眺めていたアキラが掛け布団を持ち上げるとヒカルは首を振った。
「今日は違うんだ。…その、昨日は…ありがと、塔矢。」
そしてアキラの横に膝をつくと唇に軽くキスした。
「いよいよ明日だな…。」
そう呟いたヒカルの表情は穏やかだったが、瞳の奥が険しく揺れたような気がした。
「進藤…」
アキラは出来ればもう一晩、ヒカルと一緒に過ごしたかった。
ヒカルにもっと自分を与えて自分の存在を刻み付けたかった。
何故だかそうしないとヒカルが遠くへ行ってしまうような、そんな胸騒ぎがした。
だがヒカルはキスをしただけで部屋を出て行ってしまった。
そして翌朝、ヒカルは自宅に一度戻るために塔矢家を出て行った。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル