Duran Duran History - 1986
とうとうロジャーは音楽業界から身を引くかたちでDuran Duranを脱退しました。
そんな折り、4月にジョンが映画『ナインハーフ』のメイン・テーマをソロ名義でリリースしました。
ジョンにとって初めてのソロ・シングルです。
私はその情報を知ったとき、
「ジョン・テイラーでリリース!? ということはジョンの声がいっぱい聴くことが出来るんだぁ!」
と喜びました。
この話はジョンの方からではなく映画の製作側から話が持ち上がったようです。
映画のほうはミッキー・ロークなどの出演でヒットしたんでしょうけど? ジョンのファースト・シングルのセールスは振るわなかったようです。
5月になってヨットのレースから帰ってきたサイモンはジョン、ニックとパリのレコーディング・スタジオで再会します。
が、アンディは待てど暮らせどスタジオにはやって来ませんでした。
それどころかアンディはソロ活動に専念したいからバンドを脱退したい旨を弁護士を通してメンバーに伝えたのでした。
バンドとしてはレコーディングが開始され、レコード会社との契約などその他の契約も残っているからスタジオに来てギターを弾いて欲しいのです。
このアンディの脱退騒動で今度はジョンまでもがバンドを辞めると言い始めました。
ジョンの場合はサイモン、ニックが近くに居たので説得して脱退という最悪の事態は逃れましたが、
結局、アンディはDuran
Duranでのキャリアをステップにしてソロ・ミュージシャンとして活動していくことになりました。
レコーディングが開始されたばかりのニュー・アルバムでアンディは4曲ほどギターを弾いてDuran Duranとの契約を完了させました。
その後、脱退したアンディはアメリカのTVドラマ『マイアミ・ヴァイス2』のテーマ・ソングをリリースしたり、
念願のソロ・アルバム『Thunder』を元Sex Pistolsのスティーヴ・ジョーンズの協力でリリースしました。
このスティーヴ・ジョーンズは後にジョンと一緒にNeurotic
Outsidersを結成するメンバーでもあります。
ドラマーとギタリスとが居なくなったDuran Duranは、まずは元Average
White Bandのスティーヴ・フェローンをドラムに迎えレコーディングを再開します。
私はスティーヴについて、この時は良く知りませんでしたが、後にエリック・クラプトンのバックバンドのドラマーを務めるほどのテクニックの持ち主という事が判明しました。
ギタリストはバンドが探さなくてもウォーレン・ククレロというギタリストがDuran Duranでギターを弾きたいと言って来ました。
ウォーレンはDuran Duranがアンディとゴタゴタしている時から、アンディはバンドを辞めるという情報を知っていたみたいで、
アンディが正式に脱退するの待ってからDuran Duranと連絡を取ったんです。
アルバム・リリース後のツアーまでもサポートする契約を結んだウォーレンは残りのギター・パートを全部レコーディングし終えました。
ウォーレンは元Missing Personsのリード・ギタリストで、若い頃にフランク・ザッパの門下生としてキャリアを積んでいきました。
同じフランク・ザッパの門下生で有名なギタリストにスティーヴ・ヴァイという人がいます。
残念ながら私はフランク・ザッパについては無知であります。 ただ凄いギタリストだという事を知っているだけです。
あしからず。
で、私はこのアルバムがリリースされるまでDuran Duranに関しての情報がほとんど耳に入ってきませんでした。
それに頭の中ではDuran
Duranが霞んでいく状態でした。
去年、Power Stationがキッカケで聴きはじめたハードロックを色々掘り起こして聴いてました。
でもミーハー王道の道は外れていません。
やっぱりどんなバンドでもルックスがカッコイイから飛びついて聴いてみようとするんです。
当然、『Music Life』や『Viva Rock』のグラビアを飾っていたバンドです。
具体的なバンド名はMotley Crue、RattやDef Leppard、Hanoi
Rocksとその他といったところです。
Hanoi Rocksはこの時は既に解散していましたし、他のバンドも2-3年前にアルバムをリリースして新作まで時間があったため、
デビュー・アルバムからじっくり時間を掛けて聴くことが出来ました。
それまで私は歪んだギター・サウンドのロックをあまり聴いた事が無かったのでスゴク新鮮でした。
話は戻りますが、よけいにPower Stationを初めて聴いたときのショックは大きかったと、今でも思っています。
そしてスタジオ録音としては3年ぶりのニュー・アルバム『Notorious』はリリースされました。
この時の喜びは半端ではありませんでした。 たぶん、今まででもリリースが一番嬉しかったアルバムです。
何ていうか“We Are Back!”、“Now, We Are Here.”といった表現がピッタリくるアルバムでした。
聴いてみるとそこには新しいDuran Duranがあったような気がします。
それまでのポップでダンサブルな曲にはホーン・セクションを加えたり、ファンキーなカッティング・ギターが加えられたりしてパワーアップした感じでした。
黒人のドラマーが叩いているせいかスィングした感じもありました。
そうです、プロデューサーのナイル・ロジャースのためアルバム全体に黒っぽいノリがありました。
アルバムがリリースされれば、次に期待するのは当然ツアーです。