病床小アキラ 1
(1)
行き当たりばったりでのんびり書いていきます。
アキラくんは風邪をひいてしまいました。
昨日の夕方に突然お熱が出てしまったので、それからアキラくんはお布団の
中でうつらうつらしたり、りんごを食べたりお薬を飲んだりを繰り返しています。
朝から降り出した雪はもういくらか積もった頃でしょう。
アキラくんが窓の向こうの空を眺めていると、静かに襖が開く音がしました。
アキラくんがガンガンする頭をゆっくりと動かすと、お父さんが立っています。
「…アキラ、具合はどうだ?」
「おそとであそびたいの」
アキラくんがお布団の中から訴えると、お父さんはアキラくんの枕元に座り
おでこに手を当てて、難しい顔で首を振りました。
「まだ熱が高い。今日一日は寝てなくちゃならんな」
「……ヤ」
「アキラ……」
お父さんは困ったように溜息をつきました。
「いいから、もう少し眠りなさい」
「ねむくないんだもん」
アキラくんはずっとずっと眠っていたので、すっかり退屈していました。
「おとそ、雪がつもってるでしょ?」
「あ? …ああ」
「おそとに行きたいなあ…」
アキラくんは窓の外を見ながら、ぽつりと呟きました。
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