白と黒の宴 17
(17)
掛け布団はベッドから床の上にずり落ち、そのベッドの上でアキラは苦し気に喘いでいた。
仰向けでパジャマの前を全てとりはらい、左手で自分の胸をまさぐり、
ズボンを股までずり下げて右手で陰茎を嬲っている。
全身にうっすらと汗を纏い、時々体を震わせて自分で自分に刺激を与える行為に熱中していたのだ。
緒方は後ずさり、壁に背を持たせかけた。
ただ驚いて、しばらくの間そのアキラの仕種に言葉もなく釘付けになった。
「ふ…う…ん…」
切なく声を漏らし、胸をのけ反らせ、くぐもった声と甘い吐息をアキラは吐き続ける。
目蓋は半分開きしきりに黒目が当て所なく動いているが意識はないようだった。
今にも弾けそうに膨らみ切って先端から透明な液を滴らせているアキラ自身は
時折さらなる要求するかのようにアキラの指の隙間からびくんと跳ね上がる。
そして体のあちこちに色濃く浮かび上がっている明らかにそれとわかる刻印。
表情を失くしそれらに視線を縫い付けられたまま緒方はゆっくりとアキラに近付いていった。
アキラは緒方の気配に全く気付く様子もなく曖昧に指を動かしている。
白い胸のあちこちが桃色に染まり両方の乳首はくっきりと尖り立っている。
緒方は陰茎を包み摩っていたアキラの右手の手首をそっと掴んでアキラの顔の脇に押し当てた。
アキラの手は燃えるように熱かった。
「ん…っ」
それでもまだアキラの意識はどこか彷徨ったままで、刺激を求めるように腰を揺らし、
胸に触れさせていた左手を下半身へと伸ばした。
緒方はその左手も掴んで反対側へ押し付け、アキラの自由を奪った。
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