白と黒の宴 18


(18)
炎の中でアキラはもがいていた。
望むものを与えてくれない淫火を払い除け、代わりに自らの手で自身に刺激を加える。
頭のどこかでそれを浅ましいと思いながら止める事が出来ない。
自分の部屋で深夜その悪夢に目覚め、悪夢の続きのまま自慰にふけることがあったが
最後まで行き着く事はどうしても出来なかった。
ましてやここは緒方の寝室だ。
そんな場所でいけない事をしているという意識がさらに情欲を掻き立てる。
ふいに、その両手を捕らえられたのだ。

「う…ん…」
数度不自由な手首を引き抜こうと動かそうとし、それと供にゆっくりと覚醒するように
アキラの瞳が目の前の緒方の顔に焦点をあてはじめる。
「…緒方…さん…?」
何故、こんな間近に緒方の顔があるのか、そして何故自分が押さえ付けられているのか
アキラはぼんやりと考えていた。
次の瞬間自分がほぼ全裸の状態である事に気が付き、小さく悲鳴を上げかけた。
が、すぐに声を飲み込んだ。
…違う、ボクだ。ボクが自分で…
夢の中と現実の境界線で自分が何をしていたか、アキラには分かっていた。
そしてそれを緒方に見られた、と瞬時に理解した。
全身の血が逆流するような恥ずかしさ頬を紅潮させアキラは緒方の視線から顔を背けた。



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