病床小アキラ 19


(19)
「アキラ。もしかして頭が痛いのか?」
 お父さんはふいに真顔になってアキラくんの目を覗き込みました。
 アキラくんは高い熱を出して、さっきまで寝込んでいたのです。
「ううん」
 アキラくんは右に左にと傾けていた首をまっすぐにしました。そこを捕まえて、お父さんは
アキラくんのおでこに自分のおでこをくっつけます。――大丈夫です。まだすこーし普通より
温かい感触がありましたが、心配するほどのことではありません。
 お父さんはほうっと息を吐き出して、アキラくんを膝の上に降ろしました。
「熱が下がったようだな。…何を考えていたのかい?」
「んっとね……。わかんなくなっちゃったー」
 テヘっと笑うアキラくんを見て、お父さんもフフと笑います。
「そうか。わかんなくなっちゃったか」

 切り取られたような黒い空から、雪がまた少し降ってきました。



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