白と黒の宴 20
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彼等が押さえ付けたその状態のアキラにどんな事をしたか。
次の瞬間体の奥が甘く痺れるような電流が何度か走り、呼吸が早まり、動悸が激しくなった。
「あっ…あ」
自分で制御出来なかった。それは急速に高まって膨れ上がり、出口に向かう。
「緒方さ…っ」
ビクンッと全身が震えた。
「…ない…で…」
体が痙攣し温かい体液が腹部に降り掛かるのをアキラは感じた。
感情をなお見せない緒方の眼下でアキラは射精してしまったのだ。
自分で自分が信じられず、激しいショックにアキラは打ちひしがれた。
「…誰が、お前にそういうことを教えた。」
静かに緒方が言葉を発した。アキラはドキリとした。
「相手は誰だ」
緒方は押さえているアキラの手首に残る指の痕を親指で撫で、アキラの胸や腕の内側の
肌の柔らかい部分を狙ったように残された刻印を顎で指し示す。
「…進藤か」
弾かれたようにアキラは緒方を見て、首を横に振った。
「違う…進藤はこんな…」
緒方の目は、分かっているというふうだった。ただ確認しただけのようだった。
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