病床小アキラ 20


(20)
 フンフンフーン♪と鼻歌を歌いながら緒方さんが入ってきました。いつもより時間をかけて
台所を自分好みに磨き上げたので気分がいいようです。
「アキラくん、もう寝るかい?」
 ちょこんとお父さんの膝の上におさまったアキラくんに、緒方さんはにこにこ笑って手を伸ばし
ます。アキラくんが握っていた2つのスプーンと、プリンが入っていたお皿を取ると、緒方さんは
また台所に行き、今度はすぐに戻ってきました。
「おふろは〜?」
「アキラくんは今日は止めてた方がいいんじゃないかな。ねぇ先生?」
「うむ」
 偉そうにするつもりはないのですが、もともと無口なお父さんは今日も厳かに頷きます。
「あ、でも着替えた方がいいかな。汗かいた?」
「ううん」
 アキラくんがふるふると首を振るのにも関わらず、緒方さんは軽やかに立ち上がってアキラくんの
着替えを抱えて来ました。緒方さんが持ってきたパジャマやおぱんつをコタツの中に押し込んで
いる間に、お父さんはお湯で濡らしたタオルでアキラくんの顔を拭いてあげます。
「気持ちいいだろう?」
「うん」
 アキラくんは目を閉じて、ふうと溜息をつきました。



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