白と黒の宴 21


(21)
アキラと緒方の視線が合った。緒方の瞳をメガネを外した状態で間近に見るのはこれが初めてだった。
髪と同様に色素の薄い茶系の瞳。
薄暗い間接照明の中でもそこにはただならぬ気配を漂わせていた。
それが怒りなのか、自分に対する蔑みなのかはアキラには分からなかった。
ただ、緒方の自分を見つめるその目付きには、見覚えがあった。
『…ずっとオレはあんたを見て来たンや…』
獣のように唇を貪りながらアキラを欲した社の目だ。
「無理矢理だったのか。…それとも…」
緒方の次の言葉を予測して微かにアキラの唇が震えた。
「…誘ったのか。」
アキラは目を閉じた。事務所の中に落ちていたチケットの切れ端から緒方は何もかも見抜いている。
おそらくその相手とアキラはここに来たのだと。そして何かがあったのだと。
鍵を持っているのがアキラである以上引き入れたのはアキラであると。

『誘ったのはそっちや…!』
社の言葉がアキラの頭の中でくり返される。
『欲しいんとちゃうんか』
そして、自分が社に言った言葉も覚えている。
『…動いて…もっと…激しく…。…痛くても…いいんだ…』



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