病床小アキラ 21


(21)
 緒方さんがコタツで温めてくれたパジャマはほこほこしていて、アキラくんはご機嫌です。
「あったかーい」
「そうだろう? さあ、部屋に戻ろうか」
 当然のように両手を延ばしてくるアキラくんに緒方さんは苦笑しました。アキラくんはもう
十分一人でも歩けるのです。あまり抱っこしてばかりもよくないような気がしていました。
 気のせいか、背中に突き刺さるお父さんの視線も『抱っこはなるべく控えてくれないか』と
訴えているようでもあります。
「おがたくん、だっこ〜」
 ですが、『緒方さんの心アキラくん知らず』です。アキラくんはいつものように緒方さんの
足に抱き着き、そのままよじ登ってきそうな勢いでした。
(仕方ないな……。具合も悪かったし)
 アキラくんが聞き分けの良い甘えっこなのは昔からですが、今日は具合が悪くて頑張って
眠っていたのです。大好きなお父さんも留守にしていたし、多少甘えっこがひどくなっていても
仕方がないことかもしれません。
「……本当は、あんまりだっこしちゃいけないんだよ?」
 緒方さんはお父さんにも聞こえるように呟いて、不思議そうな顔で見上げているアキラくんを
ひょいと抱えあげました。
「どれ、私も行こうか。今日は私も一緒に寝よう」
「ほんとっ?」
 お父さんが頷くと、アキラくんは喜んでバンザイし、また緒方さんのあごを殴ってしまいました。



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