白と黒の宴 24 - 25
(24)
ゆっくりとした舌の動きで十二分な刺激をアキラは与えられる。時間をかけて丁寧に。
まるでアキラの中にある火種の事を分かっているように緒方は
黙々と愛撫を続ける。
「緒…方さ…ん…っ」
もう何度呼び掛けただろう。次第に吐息が混じり掠れ々な声でアキラはくり返す。
「やめてくださ…緒方さ…」
それでも緒方の唇がアキラの胸の敏感な部分から離れる事はなかった。
片方からまた片方へと交互に吸い、乳首の周囲まですっぽり口に含み、
歯と舌でその先端から甘い果汁でも吸い出そうとするかのように入念に動かし弄ぶ。
やがてアキラが緒方の名を呼ばなくなり、切なく涙混じりに吐息を吐くばかりになるまで、
下肢で最初に精を吐き出したアキラ自身が再び熱と昂りを持ち始めるまで続けられた。
勢いに任せたものではなく高熱で神経が過敏になっているのを考慮されたある意味“優しい”愛撫に、
もうそれだけで今にも再び到達してしまいそうなくらい内部は高められていた。
「ああ…っ!!」
殆どもう、限界に辿り着きそうになって一際高い喘ぎ声をアキラが漏らした時、
緒方が顔を上げた。
呼吸を荒くし、紅潮した頬と涙が滲む睫毛と、震える唇で、アキラは緒方を見る。
緒方の目はますます人間性を何処かへ置き忘れたかのような無表情さでアキラを見下ろしていた。
僅かでもそれが残っていればその先へは進めないと分かっていて感情を遮断してしまったかのように。
前を開いていたパジャマを引き剥がされ、アキラはうつ伏せにされた。ズボンも取り払われた。
(25)
「お…が…」
うつ伏せて開かせた両足の間に体を入れるようにして緒方の体がアキラの上に覆いかぶさって来た。
鬱陶しそうにアキラの黒髪をかきあげてうなじに口付ける。噛み付くように、少し歯を立てて。
ゾクリとアキラは肩を竦ませた。
そのまま首の後ろを背骨にそって柔らかな唇の感触が移動していく。緒方の唇の触れた
先々が熱く熱を放って身体の奥深くの何かを掻き立てる。
アキラはようやく解放された両手で顔の近くのシーツを掴む。
手首には新たな指の痕がはっきり残っていた。社のものより大きく鮮明に。
自分には緒方を止めることができない。
唇を重ねた瞬間に二人の関係は一変してしまったのだから。
その緒方のキスは下肢へと近付き、両足を更に割り開くと形よく盛り上がった白い丘の
谷間へと舌を滑らせる。
「あ…っ」
思わずシーツの上を掻いてアキラは緒方の舌から逃れようとしたが、がっちりと太ももを
抱え込まれて動けなかった。
緒方の舌は谷間の奥の窄まりに届き、乳首と同様に唇で包み深く愛撫する。
「はっ…ああ…っ!」
アキラが激しく首を振って身を捩るが緒方は眉一つ動かさず行為を続ける。
まるでディープキスをするように舌を差し入れ、皺に歯を立てて来た。
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