白と黒の宴 27


(27)
体内に炎を宿しているのは自分だけではないのだとアキラは感じた。
今、その別な大きな炎がゆっくりと動き、自分の中に侵入しようとしている。
それはアキラとは比べ物にならない位、おそらくもう長い間、誰にも知られる事なく
静かに激しく彼の意識の下に隠されて存在してきたものなのだろう。

『緒方さん』
彼にそう呼び掛け駆け寄っていったのは常に自分の方からだった。
父と母の姿が見えない時は彼の姿を探した。
どんなに離れた場所に居ても、雑踏のざわめきの中でも彼は自分の声を聞き取り
傍に行くまで待っていてくれた。
その時返って来るのは、あまり自分以外には彼が周囲に見せない優しい笑顔で
ある事が多かった。その事に密やかな優越感を持つ事すらあったのに。

「…緒方さん…」
殆ど伝わらないくらいの小声で呟く。今の緒方は、アキラが知らない緒方だった。

緒方は表情なくアキラと自分の肉体の一部の接点を見つめる。
自分の腰幅より遥かに狭い小ぶりの臀部の谷間が無惨に引き広がり、淡く褐色づいた
中央の小門が鮮血を滲ませて緒方の昂りを受け止めようとしている。
少女のような白くほっそりした背中からウエストにかけてのラインが汗に濡れて震えている。



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