病床小アキラ 28


(28)
「ぴょんって、しちゃおっかな〜」
 アキラくんは両手で抱き着いてぐるぐると回していたカーテンから、ぱっと手を離しました。
 レースのカーテンはゆっくりと回りながらまっすぐになり、今度は冷たい風を受けてぱたぱたと
そよいでいます。
 アキラくんはカーテンを端の方に寄せて、開け放したガラス戸の前に仁王立ちになりました。
「おがたくんちの、おふとんみたいだねぇ……」
 雪のふかふか具合を確かめると、アキラくんは両手を腰に当てたままほうっと溜息を吐きます。
 この間、アキラくんは緒方さんの家に遊びに行きました。そこで初めて見たベッドがとても楽し
かったのです。お父さんが緒方さんと話している間、アキラくんは何度も机からベッドに飛び降り
て遊んだのですが、そんな緒方さんの家のふかふかの青色のベッドよりも、今日のお外はもっと
ふかふかしているように見えました。
「ど〜〜しよっかな〜〜」
 アキラくんは歌いながらそろそろと後ろ向きに歩きます。5歩も歩くと、プーちゃん半纏でもこ
もこの背中に障子がトンとぶつかって、アキラくんはそれ以上後ろに行けなくなりました。
「ん〜んっんん〜〜」
 アキラくんはそのまま障子に背中をこつこつとぶつけて遊んでいましたが、やがて『こつこつ』
は『ドンドン』になるころ、アキラくんはとうとう走り出しました。
「とうっ!」



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