白と黒の宴 28 - 29


(28)
緒方もまた相当の汗を滴らせていた。全身に力を込めてその部分に集中し腰を進める。
最初に先端の最も太い部分を窄まりに潜らせる時は一気にそれを行いアキラに声をあげさせた。
緒方は更にアキラのその部分に指を添えて左右に押し広げ分身を押し入れた。
「…う…」
シーツに伏せたアキラの口から苦し気に声が漏れる。
汗で額と髪に髪が貼り付ききつく閉じた目蓋の間で濡れた睫毛が震える。激しい痛みと心臓の鼓動が
腹部から下肢にかけて脈打っていた。今までの経験では出口に近い部分が最も痛みに敏感でそこを
通り過ぎると幾分か楽になったのである。それが今回はなかなかそうはならない。
あまりにも“不可能”な行為を強いられているのではとアキラは思った。
確実に緒方はアキラの中を進んでいた。それでもまだ半分程で、更に太い幹の部分が待ち構えていた。
「…チッ」
小さく舌打ちすると緒方は両腕をアキラの腹に回し、後ろに引き寄せた。
「あ…っ!」
突然上半身を起こされてアキラは驚いた。結合部分が軋み苦痛に顔を歪ませる。
緒方は壁に背中を持たせかけて胡座をかき、自分に持たれかけさせるようにして
アキラを座らせる形にしようとした。
「い、いやだ…っ!!」
アキラはもがいて逃げ出そうとした。だが強く腹部を抱き締められ腰を離す事ができなかった。
責め道具の類の椅子の上に座らされるようなものだ。
アキラは力の入らない四肢で必死に自分の身体を支えようとした。
そんなアキラの両膝の下に緒方の両腕が入れられ、持ち上げられた。


(29)
「うああっ!」
足側を持ち上げられてアキラの身体が緒方の腰の上に沈みこんだ。
アキラは咄嗟に両手を緒方の胡座の膝の上に乗せて突っ張らせ、身体を支えた。
カタカタと全身を震わせて歯を食いしばり、体重がそこにかからないようにした。
「…手を離せ」
容赦のない緒方の言葉に首を振る。
「無理です…緒方さ…、お願…」
緒方は膝下に入れた腕によってアキラの身体を持ち上げた。
「おがっ…」
持ち上げられた身体は緒方の腰の上に落とされた。ズンッという衝撃で緒方のモノが
アキラの内部に突き上がる。手の支えなど意味をなさなかった。
「ひっ…」
再び持ち上げられる。アキラは首をよじって緒方の方を向き叫んだ。
「緒方さんっ!…やめて!!…っ」
ズンッと再び衝撃が走る。衝撃は4〜5回繰り替えされた。
最後は緒方が落ちるタイミングに合わせて腰を突き上げてきた。
その瞬間痛みと衝撃と共に電流のように何かが身体の深部を貫いた。
「…は…ああっ…!!」
ガクガクと身体を震わして涙をこぼし、ぐったりと緒方の身体に倒れこむ。
下肢がビクンビクンと激しく痙攣していた。根元まで全てアキラの中に入り切った。
身体を重ね切った二人の前方のシーツにアキラが放った白い体液が散っていた。



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