白と黒の宴 32 - 33
(32)
その姿勢のままでもう殆どアキラは達しかけていた。
すると突然緒方がアキラの腰を抱え、分身を引き抜いた。
「う…んっっ!」
体内を支配していたモノがごっそりと移動する感触にアキラは身震いする。
「…緒方さん…?」
緒方はアキラの身体を仰向けにベッドに横たえて両足を開かせ、その間に身体を入れて
アキラの両膝を抱え込む。先刻までの姿勢では十分に動けないためのようだった。
その時アキラは初めて緒方の高まり切った陰茎を目の当たりに見て言葉を失くした。
最初に見ていたら、どんなに暴れてでも必死に拒否していたはずだった。
緒方のそれは天を向いてそそり立ち、血の混じった体液を纏っていた。
そして今再びその先端がアキラの腰の中心の奥に押し当てられる。
「はあ…あっ…!!」
ようやく異物を吐き出して喘いでいた窄まりが再び押し広げられる。苦し気にアキラが呻く。
ゆっくりと、だが今度は一息に根元まで緒方は進めた。
「ううーん…っ」
アキラの下肢がビクビクと震えた。だが今度は精を吐き出す迄には到らなかった。
ただ緒方と同様にアキラの分身も熱く昂って雫を纏い硬くそそり立っていた。
アキラの最奥迄突き入ると緒方はすぐに腰を引き戻した。
「う…あ…あっ!!」
殆ど抜けそうになる位引き抜き、再度腰を埋める。そしてまた引き抜く。
(33)
ギシッギシッとベッドの軋む音が等間隔でくり返され、その度に泣き声の混じった悲鳴が上がる。
緒方の目からまた感情が消えていた。
うつ伏せにされて挿入された時と同様に、ただアキラはシーツを両手で握り、なす術もなく
緒方にされるままになっていた。
殆どもう何も考えられなくなっていた。
分かって入るのは、今自分の下腹部は緒方に支配され、
彼が満足する迄は解放されないという現実だった。
そしてそれにはまだ先であると言う事だった。
緒方は姿勢を倒してアキラの両膝から手を離し、再度アキラの両手首を握ってシーツに
押さえ付け、自分の下腹部でアキラの分身を圧迫し刺激するようにして腰を動かし始めた。
「ん…ん…っ」
殆ど焦点の合わない空ろな目でアキラはただ天井を見つめていた。
アキラの限界が近いのを知っていて敢えて緒方はその部分に集中的に刺激し、
胸に顔を寄せて片方の乳首を口に含む。
「ああ…っ、あーっ!!」
背骨に近い深い部分からうねり上がるような感覚が走り、重なりあった二人の腹部から
アキラが放った白濁の液体が流れ出る。
ビクンビクンとアキラの身体が痙攣する。だが緒方の動きは止まらなかった。
限界を超えて刺激を与え続けられ、アキラの頬を涙が伝い、嗚咽混じりの悲鳴が何度も漏れた。
緒方の動きの激しさはアキラに次の放出を強いていた。
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