病床小アキラ 51


(51)
 芦原さんが横から手を出して緒方さんの瞼の上から軽く押さえると、緒方さんはまた深く息
を吐き出しました。
「気持ちいいよ。……アリガトウ」
 アキラくんと芦原さんは顔を見合わせます。緒方さんは紳士ぶってはいますが基本的に天の
邪鬼で意地悪な人なので、あまり感謝の意を言葉にすることがないのです。
「緒方さんそれはね、あし……たっ」
 芦原さんがしてくれたんですよ。そう言おうとしていたアキラくんが眉を顰めました。アキ
ラくんの手の甲を、芦原さんが抓ってきたのです。
「何をするんですか」
 アキラくんが芦原さんを睨み付けると、芦原さんはニコニコ笑っています。
「よかったな、アキラ」
 片目を閉じて笑う芦原さんに、アキラくんは芦原さんの思惑を知りました。多分芦原さんは、
緒方さんを気持ちよくさせたというだけで満足なのでしょう。多少申し訳なく思いながらも、
アキラくんも話を合わせることにしました。
「そうですね――、よかった」



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル