白と黒の宴 73


(73)
「ボクが何か作るよ。その代わり文句いわないでよ。」
そう言ってアキラが体を起こすと、ヒカルも一緒に上半身を起こし、そのついでのように
アキラに顔を寄せて唇を軽く重ね合わせた。2度3度、そうして軽くキスをし、最後に少し長く
時間をかけたキスをした。舌先が軽く触れあったがヒカルはそれ以上は侵入して来なかった。

「ごちそうさん。片付け手伝えなくてゴメン。」
「いいんだよ。でももう遅いから本当に気をつけて。」
玄関先でスニーカーのヒモを結ぶヒカルの背をアキラは見つめる。
本当はヒカルにずっと居て欲しかった。一晩中抱きしめていて貰えたらどんなに安心出来るだろう。
安らかな気持ちで深く眠る事が出来るだろう。
だけど今はまだ、ヒカルにそういう事は望んではいけないと思った。
スニーカーを履き終えたヒカルが立ち上がってアキラも外まで見送りに行くつもりで
靴を履き、見つめあってもう一度顔をどちらからともなく寄せ合った。
その時表の門を開こうと軋む音がして、チャイムが鳴った。思わずヒカルとアキラは顔を見合わせた。
「もしかして、塔矢先生?」
「いや、…」
そう言えばヒカルが靴を履いている時に表で車が止まる音がしたような気がする。
タクシーとか、そういう種類ではない特徴のあるエンジンの振動だった。
アキラは自分の表情が強張っていくのを感じた。だが表に出て行かないわけにはいかない。
おそらく門のところに立つ者からは明かりが灯った玄関内に人が居る気配が見えているだろう。



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