Duran Duran Discography
当時は本当に待ちに待ったという感じのアルバムでした。
スタジオ・レコーディングとしては3年振りという事もありましたが、普通、バンドの中でドラムが変わってしまうとそれまでの雰囲気とは全然違ってしまうのではないかという期待と不安もありました。
最初、聴いた時は全体的にDuran DuranでありながらDuran
Duranではないような感じがしました。
ドラムとギターが変わったというだけなくジョンもサイモンも技量が上がった影響もあると思います。
このアルバムで初めて(スタジオ録音盤としては)Side
A, Side Bの両面に5曲収録されました。
ファンとしては1枚のアルバムで沢山の曲が聴かれるのは嬉しいことです。
Side A
1.Notorious
タイトルチューンでもありアルバムに先駆けてリリースされたシングルです。
ナイル・ロジャースの弾くギターが良い感じです。 さすがはカッティング・ギターの鬼といったところでしょうか?
Power Stationで曲にアクセントを付けていたホーン・セクションがこのアルバムでも積極的にフューチャーされています。
尚サイモン曰く、
「このアルバムに入っている曲の歌詞は現実に僕等の身に起きたことが元になって書かれているよ。」
そうです。
となるとこの“Notorious”は勝手に辞めていったアンディを罵倒した曲なのかぁ?
2. American Sience
ホーンが曲の開始を合図した後に静かに始まります。 イントロではジョンが珍しくランニング・ベースを弾いてます。
中間のパートではウォーレンのちょっとしたギター・ソロが聴かれます。
アルバムではウォーレンは他のホーン・プレイヤーと同じ所にクレジットされています?
まだ扱いが低かったのか?
3. Skin Trade
アルバムからのセカンド・シングルです。 アメリカでは“Notorious”ほどヒットはしませんでしたが私は個人的に好きな曲です。
この曲こそPower StationとArcadiaに別れて各々のやって来たことが身を結んだ曲だと思います。
サイモンがファルセットで歌ったたりして歌唱力が付いたこと見せています。
中間のドラムとホーンのソロは聴いていて気持ちが良いです。
4. A Matter of Feeling
ロック・アルバムの常でここらでバラードかスローな曲を持ってきますか?という感じで入ってます。
この曲のギターは聴いていてアンディが弾いている感じを受けます。
5.Hold Me
一転してロックン・ロールなノリを持つ曲です。 こういった曲は私は大好きです。
このアルバムのリリース後に行われたツアーではそれまでの“Girls
on Film”に替わってこの曲に載ってメンバー紹介がされていました。
しかしこの曲には奥深くまで入り込める力はなく私はすぐに飽きてしまいましたが…。
Side B
1.Vertigo / めまい
“Skin Trade”の流れを汲む曲です。
サード・シングルの“Meet el Presidente”のカップリングに使われました。
タイトルはまたまた、昔、サイモンが読んだ小説からつけられたようです。
2.So Misled
ロジャーでは決して叩かないであろうドラム・パターンの曲です。
スティーヴ・フェローンだからこういうドラム・アレンジになったと思います。
中間で昔のニックが使っていたような機械的なシンセサイザーの音が出てきます。
3.Mett el Presidente
全くヒットしませんでしたがアルバムからのサード・シングルです。
シングル・ヴァージョンはもっと軽く仕上げてあります。 私はシングル・ヴァージョンの方が好きです。
そのシングル・ヴァージョンを元に作ったインストゥルメンタルの“Meet
el Presidente [Meet ei Beat]”は聴いていて思わず体が動きます。
私はこの曲の歌詞は大好きです。
特に“To put a stripe in the union, a star in the jack (ユニオン・ジャックの上に星条旗を重ねよう)”の部分は聴いていて面白いです。
4.Winter Marches On
まるっきりArcadiaといった感じの曲です。
ニックはこの歌詞が好きで、『Notorious』から好きな歌詞を朗読するというツアーで来日したとき雑誌の企画がありまして
ニックの顔からは想像も出来ないような太くて低い声でこの歌詞を読んでました。
完璧主義者のニックはつっかえると何度も録り直したらしいです。
5.Proposision
最初、聴いた時は何も感じなかった曲ですが、10年以上の時が経つとこの曲がスゴク好きになりました。
何処が良いんだ?と聞かれると答えに困りますが、とにかく良いんです。
シングル“Skin Trade”のカップリングで使われた曲を紹介しておきます。
1.We Need You
昔は普通のカップリングの曲として受け止めていました。
でも、今、聴くとこの頃のバンドの状況とかを考えるとファンに対してのメッセージが込められているのではないかと思います。
何の抑揚もなく曲は淡々と流れて終わっていきます。