2000年11月・4日目


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バス・網走駅前〜博物館網走監獄
釧網本線その2

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バス・網走駅前〜博物館網走監獄


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[起床]
目が覚めた。

ここは網走、とある網走駅のちょっと東にあるホテルである。ぼくは会社がいやになり、東京から逃げている途中である。もう逃亡4日目だ。

きのう洗濯したものを確認する。よかった。ちゃんとかわいている。

ローソンで買った朝食を食べて、洗濯したものをさっそく着て、チェックアウトして網走駅に向かった。

そして駅前のバス停で「天都山(てんとさん)」行きのバスを待つ。ぼくが今日目指す「博物館網走監獄」は天都山までの途中にあるのである。
バスがやってきた。お客が乗る。立ち客が出るほどではないが、10人以上お客がいる。博物館網走監獄に行く客も多いだろう。

バスは西に進んでいく。そして南に向きを変え、坂をのぼっていった。
ぐいぐいのぼり、ようやくバスは博物館網走監獄の駐車場に面したバス停に着いた。ぼくも含めてけっこうな人が降りた。
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[監獄1]
緑に囲まれたいい場所である。
すでにバスでなくパック旅行や自家用車で来たらしい人たちが博物館網走監獄の中にたくさんいるようだった。
ぼくもローソンで買った券を渡して入り口を抜けた。

どこに行けばいいかあまりよくわからなかったが、とりあえず人の流れに沿って建物の中に進んだ。

そこは全般的に網走刑務所について説明している場所であった。

うわさに聞いていたリアルな人形もあった。明治時代っぽい服を着ている囚人の人形であった。

さすがにパック旅行が多いらしく、ほとんどの人はコンダクターに説明を受けているようであった。
そんな中、ぼくは1人でいろいろな展示物を見て回った。

実はぼくは、6年前にもここに来ようと思えば来られたのである。ただし6年前は定期観光バスの途中で、もし博物館網走監獄に寄ったとしてもあまり時間が取れないと思ったので、あとでゆっくり来ようと思い、その時は天都山の方に行ったのである。
今日はこうやって時間をかけて見て回ることができるので、正しかったと思える。
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[監獄2]
囚人たちが、鉄道の建設にあたったという展示があった。
囚人に限らず、北海道の鉄道は過酷な労働の上で建設されたという話をよく聞く。

それとともにぼくはこんなことを考える。最近建設される鉄道は東葉高速鉄道みたいに運賃の高い鉄道が多い。
そのわけは、昔建設された鉄道は労働が過酷で賃金も安かったからそのおかげで運賃が安いのであって、最近建設される鉄道は賃金が高いから運賃も高いのかなあなどと思うのだ。

そんなことをここの展示を見ながら考えた。

次の建物に進む。刑務所長の部屋であった。そこにも人形があり、食事をしているようだった。
なんでも囚人たちの食事を刑務所長も食べるらしい。今も行われているのであろう。

それから次の建物は、囚人たちが住む場所であった。
中央に見張り部屋があって、十字に廊下が延びており、どの方向も見張れるというものである。
おそらく今も構造はあまり変わらないであろう。部屋そのものは壁とか新しくなっているかもしれないが。
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[買い物]
そんなわけでひととおり見回ったので外に出ることにする。
しかし帰りのバスは1時間おきで、10分前に出たばかりだ。

しかたなくみやげもの屋に入ることにする。お客がたくさんいる。今日は連休のなかびなのでお客が多いのかもしれない。
ぼくはキーホルダーを買った。たとえ逃亡の途中でも、なんとなくおみやげを買ってしまうのだ。
ましてぼくは存在を消去しようか迷っている最中だというのに買ってしまう。やっぱりぼくは、旅行しているときは旅行のくせが忘れられないのだろう。

みやげもの屋を出て、駐車場で休んだ。
あたりの木々をながめる。逃亡途中でも、こうやって木々をながめて心を休ませないとやっていけないだろう。
そうやってしばらく過ごした。

ようやく網走駅行きのバスがやってきたので乗る。今度も10人ちょっととさっきと似たような人数でバスは進む。
行きと同じ道を通り、バスは網走駅までやってきた。もうお昼である。
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釧網本線その2


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網走〜止別
昼食
止別〜北浜
かんがえごと
北浜〜釧路
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[網走〜止別]
博物館網走監獄からバスに乗り、網走駅までやってきた。

いつもならまたコンビニに行くところなのだが、今日はがまんである。と言うのも、釧網本線には駅に併設した食堂や喫茶店の店主が駅の管理を行っている駅がいくつかあり、今日はその中の1つ、止別(やんべつ)の「えきばしゃ」というラーメン屋でラーメンを食べて昼食にする予定なのである。釧網本線の釧路行き列車が午後遅くならないと来ないので、その待ち合わせということもある。

6年前にも同じようにして藻琴(もこと)で「田舎パフェ」、浜小清水(はまこしみず)で「海ぞくカレー」、北浜(きたはま)でコーヒーを食べたり飲んだりしている。あの時は止別には行けなかったので今日行くのである。今日は止別に行った後でもう1回北浜に寄れそうであるので寄ることにした。

まだ止別に行く列車まで時間があるので待合室で待った。テレビには笑福亭仁鶴がいて、法律の番組をやっている。めったに見ない番組なのでおもしろく見ていた。

それが終わると改札だ。列車に乗る。お客は少ない。高校生などのお客は多少はいるが、やはり釧路まで行かない列車はすいているのである。6年前もそうだった。15年前に乗った急行しれとこはさらにすいていたことを思い出す。

列車は網走を出発すると、市街地と山との間を抜け、トンネルに入った。
トンネルを抜けるとオホーツク海が見えてきた。いつ見ても釧網本線から見えるオホーツク海はいい。6年前は流氷の浮かぶオホーツク海だったが、今回は15年前と同じおだやかな海だ。
オホーツク海のそばの駅、北浜を過ぎると原生花園が右手に見えてきた。そこをすいすい過ぎて、浜小清水を過ぎ、ようやくめざす止別にやってきた。ここで降りる。
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[昼食]
6年前に他の駅で経験しているのであまり驚かないが、ここ止別は駅舎の一部がラーメン屋になっているのだ。ラーメン屋に入ると他のお客がいる。とは言えおそらく車で来たか歩いてきた地元のお客だろう。駅の一部が飲食店になっているからと言って、お客は旅人ばかりではないのである。

ラーメンを注文する。ラーメンがやってきた。

食べる。もちろんうまい。

世の中にはものすごくまずいラーメンを食べさせる店も存在するが、ここのお店はそんなことはなく、いかにも北海道っぽいラーメンを食べさせるお店であった。とても満足した。

さて、ここから北浜まで戻ることにする。

ぼくが6年前の2月に網走に来た時には、午前中は定期観光バスに乗り、午後は北浜などの駅で飲み食いしたわけだが、ものの本によると、定期観光バスが寄った「とうふつ湖」がどうも北浜駅から歩いていける場所にあるらしいのである。

だから北浜まで行ったら喫茶店には寄らずにとうふつ湖を探してみようと考えた。
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[止別〜北浜]
ホームで網走行き列車を待つとやってきた。乗る。すいている。
オホーツク海と原生花園を見ながら北浜に着いた。

駅前の道路を止別方向に歩いてみることにした。てくてく歩く。ガソリンスタンドがある。
あまり家並みは混雑してはいないが、いちおう集落にはなっているようである。しばらく歩いた。

見えてきた。どうやらとうふつ湖のようだ。6年前は来たのが2月だったので湖には白鳥がたくさんいたが、今回は11月でまだ雪が降っていないから、まだ白鳥はいないんだろうなあと考えた。

しかし白鳥はいた。湖のそばの小屋に掲示されていた案内によれば11月からもう白鳥のシーズンなのだと言う。なかなか渡り鳥のシーズンはわかりにくいものである。

ぼくは湖のそばの手すりのそばに立ち、たくさんいた白鳥を前に思いにふけってみた。
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[かんがえごと]
とうふつ湖にいる白鳥たちを見ながらぼくは考えた。

彼らは国境を越えて旅をすることができる。パスポートもなしにである。一見自由に旅行しているように見える。

だが、彼らは本当に自由なのだろうか?

いや、ちがう。彼らは強制されて移動させられているにすぎないのだ。

犬の散歩と同じようなものだ。彼らは冬には南に、夏には北に移動させられているのだ。

それに、彼らに「自由」を考える頭脳があるだろうか?もちろんない。
彼らは気持ちよく、自由を感じながら飛んでいるわけがない。今日のエサのことくらいは考えているかもしれないが、自由なんか感じていないだろう。だからぼくは絶対に鳥にはなりたくない。
どうしても鳥になる必要があるのなら、生命力の強そうなカラスがいい。

そんなふうに、不自由な会社生活から逃げ出し、自由を求めて逃げ出している自分の身の上を考えながらとうふつ湖で白鳥を見てすごした。他のお客は車で来た人たちばかりのようだ。

もうそろそろ北浜駅に帰ることにする。同じ道を歩く。
駅に戻ってきた。釧路行きの列車まではまだまだ時間があるので、6年前と同じく駅併設の喫茶店「ていしゃば」でコーヒーでも飲むことにした。

喫茶店に入り、コーヒーを注文して過ごした。ぼくの他にもお客はいたが、近所のお客のようだ。

コーヒーを飲み終えるともうちょっとで列車がやってくる時刻になった。駅の待合室に行く。
ここの駅には待合室の壁一面に、全国からこの駅にやってきた人たちのきっぷが貼り付けられているのだ。記念だろう。ぼくも6年前に来た時は、ハートランドフリーきっぷを貼り付けたものだが、今回は貼り付けるものがない。まあいいかとホームに出た。
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[北浜〜釧路]
しばらくすると釧路行き列車がやってきた。

6年前は確かお客がいっぱいでずっと立っていたんだよなと思いながら列車に乗ると、今回はお客は少なかった。やっぱりシーズンオフなのだ。函館ではかなりお客がいたが、雪の少ないシーズンの方がお客が多い函館に比べて、網走は流氷シーズンに混雑するんだな、と感じた。
そのまま再びオホーツク海を見ながら止別の方に進み、オホーツク海からやや小さめの市街地に入り、斜里(しゃり)に着いた。ここでもほとんどお客は乗って来ず、さらに進んだ。そして進んでいるうちに暗くなって景色はすっかり見えなくなった。ある意味暗くなって景色が見えなくなるのは午後遅くならないと網走〜釧路直通の列車が来ない釧網本線の宿命かもしれない。

景色の見えないまま列車は進んだ。川湯温泉、摩周を過ぎた。やはりシーズンオフなだけあって客の乗り降りは少ない。

明るければ草原が広がっているはずの摩周〜釧路間を過ぎ、釧路にやってきた。列車を降り、北海道フリーきっぷを見せて改札を出る。
今日これから乗るおおぞらの指定席券はもう入手しているが、あしたの指定席券を入手しておこうかと思った。

あしたの予定だが、おおぞらを追分(おいわけ)で降り、そこから普通列車で夕張(ゆうばり)に行き、1時間後の折り返し列車で新夕張まで戻り、おおぞらで新得(しんとく)に行った後で滝川(たきがわ)行きの普通列車に乗り、滝川からスーパーホワイトアローで札幌まで行った後で、その日の夜のミッドナイトで函館に行こうと考えた。

とりあえずミッドナイトは全車指定席だから指定席を取るとして、スーパーホワイトアローもあの区間は自由席にすわれないことが多いので指定席を取ろうと考えた。

そんなわけで駅の窓口に行き、まずはミッドナイトの指定席を取る。2年前にミッドナイトに乗った時は普通の座席のドリームカーが満席なのに、なぜかゴロ寝の「カーペットカー」が空いていたのでカーペットカーに乗ったが、あしたはドリームカーが空いているようだ。ドリームカーの方に乗りたいので指定席を取った。
スーパーホワイトアローの指定席も取れた。これでよし。

まだおおぞらの発車時刻まで時間があるし、夕食をまだ食べていないので、さてどこで食べようかと、きのうの昼食と同じく釧路の市街地をさまようことにした。
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