1999年2月その1・3日目


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指宿枕崎線
バス・枕崎〜西鹿児島
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指宿枕崎線


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西鹿児島〜指宿
指宿〜枕崎
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[西鹿児島〜指宿]
午前3時半。
ぼくは泊まっている「かごしま第一ホテル西駅」で目を覚まし、したくを始めた。そして4時半、フロントで仮眠を取っているフロントマンを起こしてチェックアウトした。

西鹿児島駅に向かい、みやげもの屋のある階に登ると、そこにはゆかの上で寝ている若者がたくさんいた。いくら今日が土曜日だからって、こんなふうに寝ているやつらがいるとは、首都圏の駅とかと同じだなあと思う。

特に大垣発東京行きの夜行列車を横浜で降りたときに、同じように駅構内でぶったおれているやつらがいたことを思い出す。

駅員にゾーン券を見せて改札に入り、しばらく待つと指宿行きのけっこう新型のディーゼル車が入線してきた。3両以上つながっていた。
おそらく指宿で折り返し西鹿児島駅行きになって、それが西鹿児島に着くころには満員になっているのだろう。とりあえず乗り、しばらく待つ。

しばらくすると発車だ。暗い市街地を進み、やがて左手に海が見えるようになった。そして月齢24〜25日くらいの、もうすぐ新月になる細い月が見えた。お客は全くゼロというわけではないが、とても少なく、いねむりしながら鹿児島湾の暗い海のそばを進んでいく。

明るくならないまま指宿に着いた。ここから枕崎行きに乗り換えだ。
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[指宿〜枕崎]
枕崎行きは、枕崎から来たディーゼル車の折り返しなので、むこうから来る客の数の方が若干多く、階段を登りおりすると彼らとすれちがうことになる。
西鹿児島から来たディーゼル車よりもひと世代古そうなディーゼル車に乗ると発車だ。

しばらくするとようやく夜が明けてくる。

左手に単純な形の山が見える。ああ、あれが開聞岳だろうと見当がつく。すぐにそのなんのへんてつもない山はうしろに過ぎ去って行く。自然の多い所を進み、明るくなって、さわやかな東シナ海が見えてきた。またちょっとうとうとする。
目を覚ますと後方にぽっかりと山が海に浮かんでいる。頭をひねって考えたが、あれは開聞岳で、路線がカーブしているので、ふたたび見えるようになったんだと気がついた。それにしても近くで見るより遠くで見た方が山ってきれいなんだなあ、と改めて思う。

そのうち菜の花畑が見えてくる。すぐに市街地が近づいて終点枕崎だ。

ゾーン券を見せて改札とは名ばかりの狭い通路を通って外に出る。話に聞いたとおり、バスターミナルになっていて、バスの方がお客が多そうだ。ぼくも西鹿児島行きのバスの乗車券を買う。さびれたホームから、今着いたばかりのディーゼル車が開聞岳の方向に発車していく。

とてもさみしい気分になる。

そんなことばかり言ってもしかたない。今日中に大分に行かなければならないのだ。多少混んでいるバスに乗って出発だ。もうすぐ朝8時になる。
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バス・枕崎〜西鹿児島


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[旅行記本文]
西鹿児島駅前行きのバスは枕崎を発車していく。10人以上客はいる。すぐに枕崎市街を離れ、山の中に入っていく。

バスは南日本放送のラジオを流していた。きのうもバスでNHK第一を流していたが、こういうサービスはありがたい。でも聞いているうちに眠ってしまう。なにしろ今日は3時半起きだったからだ。

起きると山の上から眼下に市街地が見える。桜島も見えたので鹿児島市だろう。
ディーゼル車だと西鹿児島から枕崎まで約3時間もかかったのに、さすがにバスは近道なので早い。そのまま山をおりて市街地に入り、10時ごろ西鹿児島駅に到着した。

まだ早いので予定通りまだ乗っていない市電の西鹿児島駅前〜郡元(こおりもと)に乗ることにする。ぼくはバスを降り、市電の停留所に向かった。
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鹿児島市電2系統


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旅行記本文
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[旅行記本文]
枕崎から乗ってきたバスは市内を進んで西鹿児島駅前にに到着した。

ここで降りて鹿児島市電に乗り換えだ。現在午前10時ごろなので、どうやら特急きりしまに乗れそうだ。もっとも今日は指宿枕崎線以外は余裕があるので1本遅れてもたいしたことはないのだが。

1年ちょっと前に乗った西鹿児島駅前の市電の駅から郡元行きに乗ると、運転手さんは女性だった。電車は発車し、きびきびコントローラを動かしながら進んでいく。

1年ちょっと前ほどお客もおらず、大学みたいな場所を過ぎて郡元(の鹿児島駅前寄りの安全地帯)に、鹿児島駅前方向に頭を向けて到着した。女性運転手さんに運賃を払って乗り換え券をもらう。指宿枕崎線に乗り換える必要があるが、ここから郡元駅まで歩くよりも、1系統で南鹿児島まで行って乗り換えた方が良さそうなので安全地帯で1系統を待つ。到着。さすがに今度は男性の運転手さんだ。

南鹿児島の手前で専用軌道に入り、南鹿児島に着くと、指宿枕崎線の方の駅のすぐ隣である。おまけにローソンもあって、ブランチが買えそうだ。とりあえず買っておき、特急きりしまの中で食べようと思った。指宿枕崎線のホームには女子高生もいて、11時近く、もう授業が終わっているようだ。ディーゼル車に乗り、西鹿児島駅で降りる。ぞろぞろお客が続いていて階段を昇るのに時間がかかったが、きりしまには間に合うようだ。
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日豊本線その2


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昼食
景色1
景色2
景色3
景色4
宮崎駅の説明
宮崎駅周辺
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[昼食]
指宿枕崎線から日豊本線のホームに行き、特急きりしまの自由席に行く。混雑している。

赤ちゃんを抱いた女性が隣に乗ってきた。
それほど珍しいことではない。
赤ちゃんを抱いた人は鹿児島→宮崎の高速バスに乗るといろいろ不便なのできりしまに乗ってきて、赤ちゃんの声を聞きたくない人が高速バスに乗るのではないか、と考えてみたりした。

とりあえず発車だ。

ますは南鹿児島駅前のローソンで買った弁当を食べる。
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[景色1]
鹿児島を過ぎると海のそばを通る美しい景色になることはわかってはいるのだが、2年前に見ているし、鹿児島の人にとっては「あれ(桜島)のおかげで外に洗濯物干せないんだよな〜」などと言われているはずなので、そういうものを観光客として見るのは気が引けるのだ。

そんなわけで弁当を食べる。食べ終わったのでまずは休む。

赤ちゃんは相変わらずうるさいが、これくらいのうるささは鉄道ファンとしてはあたりまえのことだ。
多少列車がうるさいのは仕方ないと思っている。
禁煙車でたばこさえ吸わなければ、なんでも許そうと考えている。
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[景色2]
隼人を過ぎた。ここから南宮崎まではまだ乗っていない路線だ。景色をながめてみる。海は見えなくなっているので山のほうをながめる。林の中を進んでいるようだ。

赤ちゃんが手を伸ばしてぼくの腕にさわってきた。これもはじめてではない。
赤ちゃんを抱いた女性が謝ってきた。

「あ、どうもすみません。」
「はあ、ぼくももう、このくらいの子供がいてもおかしくない年なんですよね。」
「そうなんですか。ほ〜ら○○ちゃん。こっちのおじちゃんが○○ちゃんがうるさいから静かにしろでちゅってよ〜。」

…今日もぼくは疲れが1割増しとなった。
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[景色3]
窓の外を見た。森の木々が通り過ぎていく。緑色が鮮やかだ。

なぜか森の木々がポリゴンに見えた。

この旅行の1週間ほど前にドリームキャストを買い、ついでにゲームを買ったのだが、そのゲームがポリゴンと呼ばれる3D技術を使ったものであった。

ぼくはポリゴンのゲーム機ははじめて買ったので、なんだか目がぐるぐる回るようでつらくなった。
そしてなぜか、そのゲームを続けてから窓の景色がたまにポリゴンに見えるようになったのである。
つらい。とてもつらい。
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[景色4]
もうすぐ宮崎だ。

南宮崎で降りた方がにちりんの始発の宮崎空港駅に近く、自由席に座りやすいとは思ってみたが、きのう1回降りているので、なんとなく宮崎駅まで行きたくなり、宮崎駅まで行くことにした。
きのう宮崎空港駅で見た手書き案内図では宮崎と南宮崎の間に川があったけどなあ、と思って見ていたら、確かに川がある。けっこう広い川であった。

そして宮崎駅だ。終点だからみんな降りる。
そのまま大分行きのにちりんに接続しているので乗ってもよかったけど、なんとなく降りてみたくなって、1時間後のにちりんに乗ることにして散歩することにした。
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[宮崎駅の説明]
宮崎駅はJRの駅としては多少変わった構造である。
ホームは2面4線になっているのだが、片方の面からもう片方の面に行くにはいったん改札を出る必要があるのだ。
つまり1番線と2番線がある島式ホームから3番線と4番線がある島式ホームに行くには、

階段降りる→1番線・2番線用の改札を出る→3番線・4番線用の改札を入る→階段を昇る

という行程を踏む必要があるのだ。

こういう乗り換えを必要とする人はあまりいないので、これでもいいのだろう。
なんでも駅ビルの商店街を2分させることなく、活性化させるために宮崎駅が高架になった時に設計された方式のようである。いろいろな方法があるものである。

もっとも道路の下を走る地下鉄では相対式ホームの場合、双方の行き来ができないことはあまり珍しくないので、まるっきり新しい方法でもないのだが。
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[宮崎駅周辺]
改札を出て、何をするでもなく駅前の大通りを歩いてみる。
今日は朝から早起きして疲れてしまったので、こうやってブラブラするのもいいだろう。

散歩していたら郵便局を見つけたので、ちょっとだけお金をおろしておく。
駅前まで歩いてセブンイレブンに行った。だけどつい数時間前に南鹿児島でローソンに行ったばかりなので、飲み物だけ買い足しておいた。

そして駅に戻った。
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日豊本線その3


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宮崎駅
超伝導
延岡〜大分
休憩
夕食
大分駅周辺
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[宮崎駅]
改札をくぐって、にちりんの発車するホームを調べる。あ、いけね。
きりしまの所で書いたが、ホームを間違えるといったん改札を出ないととなりのホームに行けない。ゾーン券を見せて改札を出て、すぐとなりの改札をくぐる。

日常茶飯事のことらしく、誰も驚かない。

ホームに戻ってしばらくするとにちりんがやってきた。南宮崎から乗っている人はそれほどでもないようだが、宮崎でけっこうな乗り具合となった。でも立ち客が出るほどではない。

高架を降りていき、市街地を離れていった。たまに海が見えるが見えない所の方が多い。
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[超伝導]
しばらくすると右側にモノレールのような建造物が見えてきた。あ、そうか、あれが磁気浮上型列車の試験線か、と気がついた。

ずっと試験をしているが、乗れるのはいつになるのだろう。

蒸気機関車が走り始めた時ってこんなにいっぱい試験、試験と言って何十年も試験運転してたのかな、と思ったが、当初蒸気機関車はレールを歯車にしてかみ合わせないと空転してしまう、などと言って歯車を使った試験をしていたようなので、意外とこのくらいの試験はしていたのかもしれない。もちろん、飛行機の原型ができてからライト兄弟が飛ぶことに成功するまでも何十年もの歳月といくつもの命が失われただろう。

まあ、ぼくの生きているうちに乗れれば幸運だろうと思っている。
ぼくが子供のころは、2000年になったら空に小型の飛行機がかけめぐるものだとばかり思っていたんだけどなあ。
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[延岡〜大分]
延岡でどやどやとお客が降りていく。どうも宮崎から延岡まで乗るお客がとても多く、いつも延岡で車内ががらがらになってしまうそうだ。だから2000年現在、延岡〜宮崎空港間の特急ひゅうが、なんてものができたんだな、と考えている。

にちりんは山に入って行き、宗太郎(そうたろう)で運転停車した。
下りにちりんがすれちがっていく。また発車だ。

佐伯(さいき)を過ぎるとところどころ海が見えるようになったが、まだまだ山の中が続いている。
そしてにちりんはさらに進んでいき、いよいよ大分が近づいた。長かった今日の旅行もひとくぎりつきそうだ。

到着。大分ではうかうかしているとドドッと乗ってくるから急いで降りなくちゃ…と思ったが、それほど乗ってくる人もおらず、すんなり降りられた。
ゾーン券を見せて改札を出た。
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[休憩]
まだ5時半だが、今日はこのままホテルにチェックインしてしまおうと思った。見たいアニメもあったし、ちょっと休みたい。まだ行きたい場所はあるが、アニメを見てからにしよう。

駅前の案内図で予約しておいた「大分パークインホテル」をさがしてチェックインして、部屋に行ってベッドに寝ころんだ。

ホテルで「まもって守護月天」と「怪盗ジャンヌ」を見る。今日の守護月天は季節がら、バレンタインデーにちなんだ話だった。
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[夕食]
午後7時になった。ここでぼくは西大分にでも行ってみようと思った。時刻表によれば、西大分にはフェリーの港があるらしいので、駅から港までの道順を確認しておこうと思ったからである。ぼくはこういうことはヒマがあるとやっている。

日豊本線のすいている電車で西大分に着いて海岸方向に歩くと港らしい建物が見つかった。しかし、灯火を落としている。

どうやら港に船が来た時だけ営業しているようだ。
まあ、歩いてすぐ駅に着けることがわかっただけで収穫かな?と考えて駅に戻るが、大分行きの電車まで30分以上あることがわかったので、近くのCocoストアでおにぎりを買って食べた。今日はずっとコンビニの食事だ。
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[大分駅周辺]
電車が来たので大分に戻り、今度は高速バスの乗り場でも確認しようかと考えた。
本当なら大分空港行きホーバークラフトの乗り場でも確認しようかとも思ったのだが、大分駅から距離があるようなので、あした時間があったらにしようと思った。

なんのことはない、高速バス乗り場は駅前通りを渡ったすぐ近くにあった。
これじゃつまらない。どこかにバスターミナルのようなものはないものか。

近くの案内図を見ると東の方にあるようなので、歩いてみた。確かにあったのだが、高速バスのターミナルではなく、一般路線バスのターミナルであった。ふう、もういいだろう。ホテルに戻った。今日は疲れたなあ。

大分パークインホテルの風呂は、蛇口をまわすと温泉が出てくる。こりゃいいや。温泉に入って眠りにつく。
あしたは9時の列車で別府に行けばいいので楽だ。ゆっくりと眠った。
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