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2007.2.11

[Game]世界樹の迷宮004

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── インガルナ パラディン Lv:1 ──

 〜エトリア中心部 某所〜

 「お呼びですか? シスタ〜」
 ほてほてと洗濯物を両手にかかえた少女が歩いてきて、無邪気に声をかけた。

 シスターと呼ばれた女性は、ゆっくりと振り向き、冷厳な無表情で、少女にこう告げた。
 「パラディン・インガルナよ、あなたに『使命』を授けます」

 少女は『パラディン』という言葉にびくっと反応し、ばね仕掛けのようにひざまづいた。
 ばさばさと洗濯物が床に落ちる。

 シスターは幾分柔和な口調になって続けた。
 「インガルナ、あなたはよくこれまで、この家につくしてくれましたね。子供たちもあなたを大変慕っています。ですが、事態は動き始めました。ついに『使命』が下されたのです。この意味がわかりますね?」

 「はいっ!」

 「今より、あなたは、ひとつの使命のため、泣き叫ぶ赤子すら斬り捨てる、心通わぬ剣です。
 今より、あなたは、ひとつの使命のため、死の運命にその身を投げ出す、血を流す盾です」

 「……」

 「あなたは、……『パラディン』です」

 「……はいっ!」

 「あなたの使命は、ある人物を守ることです。その方はまもなく迷宮に向かい、運命と立ち向かうはずです」

 「迷宮……世界樹の迷宮ですか?」
 「あなたは、身を賭してその方を死の運命から守り抜かねばなりません。たとえ、あなたの命が尽きることになっても、です」

 死ねと言っていた。人として、少女としてではなく、盾として死んで朽ち果てよ、と言っていた。
 育ての親からその過酷な使命を受けた、孤児の少女はこう応えた。

 「つつしんでお受けいたします。 わが命、使命のため捧げられることは至上の喜びです」

 「……さて」
 シスターは守るべきその人の人相、名前などを少女インガルナに告げた後、こう言った。
 「わかっていると思いますが、使命は誰にも口外してはなりません。その方本人に対しても、ですよ」

 「ええと……恐れながら……」言葉に迷いつつインガルナは言った。
 「あのぅ、ではなんと言って仲間に入れてもらったらいいんでしょうか?」

 「それは迷宮調査を命じられたとか適当に……ああ、あー……」シスターは思わず天を仰いだ。
 「貴女は、嘘が苦手でしたね……それもとんでもなく!」

 「はい、とんでもなく!」インガルナはにこやかに答えた。

 「仕方ありません、『迷宮調査を命じられた』設定を今から作りますので、それを覚えてから出発しなさい」

 「はいっ!」

買ったものとか

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